防災の動き



厳冬期の防災総合訓練を実施しました
北海道総務部危機対策局危機対策課

 北海道では、平成30年の胆振いぶり東部地震の被災経験をきっかけとして、積雪寒冷地特有の課題に取り組むため、厳冬期の防災総合訓練を行っています。

 日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震・巨大津波による甚大な被害の想定に直面している今、道として道民の命を守るため、最も被害が大きくなる厳冬期における被害を軽減することが最重要課題であり、この訓練に力を入れて取り組んでいるところです。

 今年度の訓練は、12月17・18日の1泊2日の行程で、滝川市において実施しました。当日は寒気に見舞われ、この時期としては例年にない低温・大雪となり、凍えるような寒さの中、雪かきに追われながら訓練に臨みました。

 この訓練の大きな特徴は、避難所で宿泊を伴う訓練をすること。避難所の環境改善に取り組み、低体温症による二次災害やエコノミークラス症候群による災害関連死を防ぐため、停電・断水対策、トイレ、食事、就寝、暖房環境を整え、安全に避難所での生活ができるよう、参加者・関係機関と協力して訓練を実施します。

 今回はこれに加えて、道の駅を一時避難所とした車中泊訓練と、大規模な立ち往生車両と多数の要救助者の発生を想定した救出救助訓練を同時に実施したことが、例年にない挑戦でした。

 専門家の指導の下、学校体育館では、最低限の感染対策による早期の避難所開設・避難者の収容する手順を確認する訓練や、発熱剤を使用して湯たんぽや温かい食事を作成する訓練などを実施しました。

 また、道の駅では、企業の展示・体験会場として、シェフの手によって生まれ変わった乾パンや缶詰等、災害時とは思えない防災食を提供したほか、一時避難所として安全な車中泊について行政側の視点に立った訓練などを実施しました。

 さらに、救出救助訓練では、地元消防・警察・陸上自衛隊・DMATが参集し、現地調整所を立ち上げ、情報収集や救助方針の指示を出しつつ、各機関が連携して救助活動を行いました。

 このように、多くの訓練に取り組むことで、参加者からは「避難所生活での不安がなくなった」、「訓練で経験することの重要性がわかった」などの声が上がり、訓練は盛況に終わりました。今後は訓練の成果を広く普及・啓発していくとともに、課題の改善に取り組むことで、さらなる地域防災力の向上に努めていきたいです。






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