防災の動き



目指せ、犠牲者ゼロ! 命を守る仁淀川流域治水プロジェクトへの挑戦! ~伊野地区自主防災会連合会~
高知県いの町総務課危機管理室

 いの町は高知県の中央部に位置します。当町を流れる、一級河川仁淀川によどがわの支川である宇治川流域は、上流に行くほど低くなる典型的な低奥型地形の内水河川で、毎年のように水害の被害を受けてきました。今後も気候変動の影響により洪水流量の増大が見込まれており、令和3年3月には千年に一度級の豪雨で仁淀川の堤防が決壊した場合、町中心部の宇治川流域では深さ5m以上の水が押し寄せ、命の危険がある人が現状1万人近く存在するとの被害想定が公表されました。国はこれまでの治水対策からあらゆる関係者が流域全体で行う「流域治水」へと転換を図り、当町も仁淀川の氾濫など今までの想像を越える大規模水害から住民の生命を守るという最大の使命を背負っています。

 そういった中、危機感を持った宇治川流域の伊野地区自主防災会連合会が中心となり「住民でやれることはやろう」と決意し、安全な緊急避難場所の確保や災害リスクの共有、防災意識の普及啓発を最優先に取り組む必要があるとして勉強会を開催し、危機意識の共有や活動方針を確認するなど行動を開始しました。具体的な取組内容として、民間企業の意識調査、町指定の緊急避難場所の点検や緊急避難が可能な高台や民間・公共施設の調査を行い、施設管理者へ使用承諾の交渉を町と連携し行うなど、流域住民主導で活動が展開されています。また、同じ宇治川流域の枝川地区自主防災会連合会とも協力し同様の取組を行うなど、地域間での連携も強化しています。

 そして現在、その活動が連合会に加盟する各自主防災会に展開され、確保した避難場所への避難訓練や想定浸水深の確認を地区単位で行うなど、大規模水害から住民の生命を守るための取組が広がってきている状況です。

 町としても、このように自主防災会連合会などの流域住民が主体となって企業や行政機関と協働しながら行動することは、流域治水対策を含め防災活動を進めるうえで目指すべき取組であると認識しており、大変心強いと感じています。

 今後も自主防災会連合会の主体的な取組を尊重し、役割を相互に補う協働という形で町も関わりながら、多くの流域住民が参画できる仕組みづくりや地域は地域で守る意識づくりを進め、大規模水害からの犠牲者ゼロを目指し課題に挑戦してまいります。

民間企業への意識調査の様子

民間企業への意識調査の様子

緊急避難場所の調査の様子

緊急避難場所の調査の様子



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