防災の動き



住民と一体となった防災まちづくり
熊本県荒尾市防災安全課

 熊本県荒尾市は、県北の福岡県との境界に位置し、東に小岱山、西は有明海に面したおおむね平坦な地形です。これまで比較的災害の少ないまちといわれていましたが、令和2年7月豪雨において、河川の氾濫や内水氾濫の発生により、家屋への浸水が350戸を超えるなど大きな被害を受けました。

地区防災計画の策定を推進

 荒尾市では、地域の防災意識や活動を高めるきっかけの一つとして、自主防災組織による地区防災計画の策定について、令和元年度から策定のための支援を開始しました。

 策定を支援するにあたっては、①最初から完璧な計画を求めない。②次につながる。つなげる計画とする。③地区の特性や実情にあった計画とする。④地区で協力し、考え、行動した結果の計画とする。の4つを重視して、策定要領を検討いたしました。

 また、本市の自主防災組織は、高齢者が主体となっているため、なるべく負担が軽くなるよう地域が記入するものは「アンケート方式」とすることやパソコンへの入力、印刷・配布を業者に委託するなどの工夫を凝らし、計画づくりのハードルを下げるとともに、計画を策定する地域を一堂に集め、説明会を実施することや無理のないスケジュールの構築により、多くの地域において作成することができました。

 これにより、これまで72の行政区で地区防災計画が策定され、策定率は53%となっており、地域防災力の向上の大きな一因となっています。

「あらお防災フェスタ」を開催

 本市においては、令和2年度から市民の防災啓発を目的として自衛隊の音楽隊や地元楽団による「防災コンサート」を開始しました。

 今年度は、この防災コンサートからさらに発展させ、「見て、体験して、楽しんで防災」をテーマに、体験コーナーをはじめ、防災グッズなどの展示コーナーや働く車コーナー、ペット避難の啓発を目的とした「移動動物園」の設置、多くの集客を狙ったキッチンカーなどを展開するなど、楽しみながら防災に触れて、学べるイベントを開催しました。当日は1,500人を超える来場者があり、防災意識を高めるきっかけづくりになったと感じております。

 これからも、住民一人ひとりの防災意識を高めるとともに、地域との連携を図りつつ、住民と地域と行政が一体となった災害に強いまちづくりを目指して努力してまいりたいと思います。

防災勉強会
あらお防災フェスタ


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内閣府政策統括官(防災担当)

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