防災の動き



車中泊を活かせ! 「いの町車中避難所受入訓練」を開催
高知県いの町総務課危機管理室

 いの町は高知県の中央部に位置し、町中心部の平地を除くとほぼ全域が山地です。これまで、一級河川仁淀川の支流である宇治川流域は、上流に行くほど低くなる典型的な「低奥型地形」の内水河川で、毎年のように水害の被害を受けてきました。また、近い将来に発生が予想される南海トラフ地震では市街地で最大震度7が想定され、甚大な被害が予測されています。そのため、本町では大規模災害に備え、町民の生命を守ることを最優先に、安全に逃げる避難対策に取り組んでいるところです。

 その中で、令和2年に高知市で開催された車中泊避難者受入訓練(高知防災プロジェクト主催)を見学した際、エコノミークラス症候群などしっかり予防対策も行えば、車も避難所として十分考えられ、プライバシーも確保されるなど利点が多いことを知ることができました。車中泊は、熊本地震など過去の災害でも多くの方が避難手段として選択されたことは把握していましたが、この訓練に感銘を受けた防災担当職員が本町での訓練開催を熱望し、高知防災プロジェクトの山﨑水紀夫代表に訓練の支援をお願いしました。

 令和4年1月にいの町主催で高知防災プロジェクトや地域の自主防災会に協力いただき、実際避難所となる施設の駐車場を使用し、「いの町車中避難所受入訓練」を開催しました。

 訓練の被害想定は、南海トラフ東側の一部が割れて臨時情報(巨大地震注意)が発表されたことにより、後発地震に備えて自主避難者が避難所の駐車場で車中避難を行う場合を想定しました。

 訓練内容は、避難所受付の開設後、避難者の健康状態の確認や避難者カードへの記入、車中避難を行う際の注意事項の説明、駐車許可書の発行、駐車スペースへの誘導を行いました。次に、保健師も同行し駐車許可スペースに停めている避難者の巡回支援を行い、健康状態の確認やこまめな水分補給、体操を行うよう注意喚起を行い、その後、適正な車の配置例を示したゾーニングの確認も実施しました。

 当日は町民など約100名の参加があり、「車中泊も選択肢として考える機会になった」、「エコノミークラス症候群への予防策がわかった」など、参加者からは防災意識の向上につながった声が多くありました。

 今後は、避難所受付や巡回支援の訓練の継続や車中避難所として利用可能な場所の確保が課題と認識しており、町民へも避難の有効な選択肢として車中避難の周知をさらに図っていきます。

避難所受付で車中避難者に説明する様子

避難所受付で車中避難者に説明する様子

保健師による巡回支援の様子

保健師による巡回支援の様子



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