防災の動き

法務省矯正局特別機動警備隊（SeRTサート）による静岡市での災害復旧支援活動

法務省矯正局成人矯正課警備対策室

　法務省矯正局特別機動警備隊（Special Security Readiness Team：通称「SeRTサート」）は、矯正施設での非常事態における警備活動、災害復旧その他の救援活動を行うために平成31年４月１日に創設された矯正局直轄の部隊です。隊員は、矯正施設内での非常事態に備えた訓練のほか、災害発生時の施設等の復旧を想定した災害援助訓練やロープレスキュー訓練など多岐にわたる訓練を日々行っています。

　SeRTサートの地方自治体における災害復旧支援活動としては、長野県須坂市への派遣（令和元年10月）、静岡県熱海市への派遣（令和３年７月）などがありますが、本稿では、本年９月下旬に発生した台風15号の影響により被害を受けた、静岡県静岡市での災害復旧支援活動について御紹介します。

　静岡県静岡市は、台風15号の影響を受けて、浸水、土砂災害、長期間の断水等の被害を受けたところ、SeRTサートは、静岡刑務所、駿府学園及び静岡市と連携し、主に①入浴支援活動、②土砂の撤去作業を実施しました。

　①については、静岡刑務所と静岡市による連携・調整により実施されたものであり、静岡刑務所武道場内の入浴場の一般利用を可能にしたほか、静岡市内の西奈生涯学習支援センター駐車場にシャワーブースを開設し、いずれも静岡市から安全宣言が出されるまでの11日間活動を継続し、支援活動期間中、静岡刑務所では13人、西奈生涯学習支援センターでは22人の方がこれら設備を利用されました。

　②については、駿府学園の敷地内に堆積した土砂の撤去を実施したほか、地域住民の要望を受け、駿府学園周辺地域の道路等に流出した土砂の撤去作業を行ったものであり、この作業により、土砂の堆積による二次被害の軽減、交通の遮断の解消に貢献しました。

　SeRTサートは、これからも多種多様な訓練を積み重ねて有事に備え、いざ有事が発生した場合には、その成果を地域支援という形で発揮していきたいと考えています。