防災リーダーと地域の輪 第46回



地域と連携した「マンション防災」を推進
東京都府中市 リムザ自治会
〈内閣府(防災担当)普及啓発・連携担当〉

防災リーダーと地域の輪 第46回

 東京都府中市にある553世帯の大規模マンション「リムザ」。住民は1500人を超えることから既存の自治会に加入することは難しく、平成19年にマンション独自の自治会が設けられました。自治会活動を煩わしく思う人も多いなか、有志たちが一軒一軒に自治会の必要性を説明して回った結果、全世帯の94%が加入するに至っています。多くの住民にとって加入の動機づけのひとつになったのが「防災」でした。

 同自治会では「マンション防災」の考えのもと、災害時の情報共有の重要性に着目して理事会主要メンバーと共に構成している防災委員会で「安否確認マグネット」の全戸配布を提言しました。また、連絡用の無線機やインターホンの一斉連絡システムを活用するなど独自の避難・情報伝達方法を確立したほか、敷地内に災害対策本部用テントの設置スペースも確保しました。令和元年の台風19号による豪雨の際には、すぐ近くを流れる多摩川に氾濫の危険が迫り、避難勧告(当時)も発令されたことから、実際にこれらの仕組みが活用されました。

 「1・2階の住民には『避難しています』あるいは『中にいます』と表示された安否確認マグネットを掲出してもらい、要援護者も含めて未避難の方々には必要に応じて垂直避難や、マンションで用意した臨時避難所への避難を支援しました」(リムザ自治会・林田健一会長)

 自治会では「共助には住民同士の顔が見える関係が重要」(同・後町伸司さん)との言葉どおり、普段からイベント等を通じて住民同士のコミュニケーションの機会を積極的に設けており、台風19号の際にはその成果が発揮されました。

 特筆すべきは、マンションの枠を越えて地域との連携にも積極的に取り組んでいる点です。「『マンション防災』と言いますが、地域とのつながりがなければ成立しません」(同・熊谷貴和さん)というように、お祭りなど地域の行事にも参加しながら、近隣住民との信頼関係を築いてきました。また、実践してきたマンション防災のノウハウを、自治会連合会やコミュニティFMの番組などを通じて共有するなど、外部への発信も行っています。

安否確認マグネット

安否確認マグネット


リムザ自治会の林田健一会長(右)、熊谷貴和さん(中)、後町伸司さん(左)

リムザ自治会の林田健一会長(右)、熊谷貴和さん(中)、後町伸司さん(左)



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