防災の動き



法務省矯正局特別機動警備隊(SeRTサート)による被災地域への支援活動について
法務省矯正局成人矯正課警備対策室

 法務省矯正局特別機動警備隊(Special Security Readiness Team:通称「SeRTサート」)は、矯正施設での非常事態(暴動、逃走、天災事変等)における警備活動、災害復旧その他の救援活動を行うため平成31年4月1日に創設された矯正局長直轄の部隊です。隊員は、全国の刑事施設から選抜された刑務官で構成されており、日々、多種多様な訓練に励んでいます。訓練内容は、矯正施設内での非常事態に備えた警備用具等使用訓練や矯正護身術訓練といった被収容者を相手とするもののみならず、災害発生時の施設復旧等を想定した災害援助訓練やロープレスキュー訓練など多岐にわたっています。ここでは、発足から2年が経過したSeRTサートが、災害救助訓練等の成果を発揮して、被災地域への支援活動を行った2つの事例についてご紹介します。  1例目の被災地域への支援活動は、令和元年10月の台風19号によって被害を受けた長野県須坂市での活動です。災害発生直後、被災地域近くの矯正施設である長野刑務所が、同市に支援の申入れを行ったところ、浸水被害による災害ごみ処理の支援要望を受け、隊員らが現地に派遣されました。被災地域において隊員らは、軽トラック等で災害ごみの受入場所、いわゆる仮置き場に搬入された、冠水した家具や畳などを分別しながら、軽トラック等から降ろし、さらにそれらをごみ収集車に積み込んで、仮置き場から焼却施設に搬出するといった業務に従事し、同市の復旧支援に努めました。

災害ごみ処理の支援活動の様子
災害ごみ処理の支援活動の様子

支援活動に派遣されたSeRT隊員
支援活動に派遣されたSeRTサート隊員

 2例目の被災地域への支援活動は、本年7月3日に大規模土石流が発生した静岡県熱海市での活動です。多くの行方不明者を捜索するため、消防、警察、自衛隊から部隊が派遣され、連日の捜索活動が実施されましたが、二次災害の危険性を伴う捜索活動現場付近に捜索関係者以外の人が立ち入り、捜索活動が一時中断するなどの事態が発生し、熱海市において、新たな課題となっていました。矯正局から静岡刑務所を通じて静岡県へ支援の申入れを行ったところ、熱海市から周辺警備の支援要望がなされました。要望を受けてすぐ、隊員が現地に派遣され、熱海市及び熱海警察署と連携して、熱海市伊豆山地区の捜索活動エリア近辺の交通規制及び立入制限区域の規制などの支援を実施し、円滑な捜索活動が行えるよう支援に努めました。

立入制限区域の規制の様子
立入制限区域の規制の様子

危険箇所の通行規制の様子
危険箇所の通行規制の様子

 SeRTサートは、これからも非常事態に備えた多種多様な訓練を積み重ね、災害対処能力向上にも一層力を入れるとともに、訓練で得た知識や技術等を地域から求められることがあれば、最大限発揮し、地域に貢献していきたいと考えています。

●【SeRTサート ホームページURL】

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