防災の動き



液状化ハザードマップ作成の推進について
国土交通省 都市局 都市安全課/内閣府 政策統括官(防災担当)付 参事官(調査・企画担当)

 現在、国では、液状化ハザードマップの作成を推進しています。液状化ハザードマップは、地域の液状化発生傾向や液状化による宅地の被害リスクを確認するだけでなく、事前の対策として何が必要か、何をすべきか等を共有できるリスクコミュニケーションを図るためのツールとしても活用することが可能です。しかし、これまでのマップは主に液状化危険箇所の周知を目的としたものであったため、なぜその場所で液状化の発生傾向が強いのか、液状化への備えとして何をすればよいか、等の液状化に対する理解を深め、事前対策への行動を促すための情報が不足していたと考えられます。

 そこで、国土交通省では、液状化被害リスクを共有するためのツールや手法を検討し、令和3年2月に「リスクコミュニケーションを取るための液状化ハザードマップ作成の手引き」を作成・公表し、これらの情報を盛り込んだ液状化ハザードマップの作成と活用方法について示しました。

 行政による出前講座や地区で実施する防災訓練等で、マップをリスクコミュニケーションツールとして活用するためには、以下の3点の情報提供が重要なポイントとなります。1点目は、液状化しやすい場所を分かりやすく示すことを目的とした、「居住地域の液状化発生傾向を確認する」ための情報、2点目は、宅地液状化被害をイメージしやすくすることを目的とした、「液状化による宅地の被害リスクを確認する」ための情報、3点目は、前述の2点への理解を深め、事前対策・対応への行動を促すことを目的とした、「災害学習情報」です。これらの情報を盛り込むことで、液状化のしやすい場所を避けた避難場所や避難路の検討・確認を行う等、地域防災の計画にも活用が可能です。

 今後、液状化ハザードマップが未作成の市区町村は、前述の情報を掲載したマップの作成を進めて頂き、既にマップを作成している市区町村は、既存のマップが前述の情報を提供し、リスクコミュニケーションツールとして活用できるかを判断した上で、必要に応じて更新を行うことが望ましいと考えています。

 市区町村によって液状化ハザードマップの担当部局は危機管理部局や都市部局など様々ですが、お互い連携を図り、今後起こりうる地震に備えて、液状化ハザードマップを作成し、住民や事業者とリスクコミュニケーションを図って頂きたいと思います。

液状化ハザードマップの一例:表面(液状化発生傾向図)

液状化ハザードマップの一例:裏面(液状化被害と対策・対応を促す情報、宅地の液状化危険度マップ)
液状化ハザードマップの一例:表面(液状化発生傾向図)・裏面(液状化被害と対策・対応を促す情報、宅地の液状化危険度マップ)


所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.