防災の動き



「ぼうさいこくたい2021~震災から10年~つながりが創る復興と防災力」を振り返って
釜石市総務企画部総合政策課

 第6回防災推進国民大会が、東日本大震災から10年の節目を迎える重要な年に、三陸沿岸被災地で開催されたことは、大変感慨深いものがあります。

 三陸沿岸は、古くから多くの津波被害が繰り返されてきました。10年前の東日本大震災では、未曾有の大津波により、当市では1,000人を超える多くの尊い命が一瞬のうちに奪われました。

 当市では、今回の大震災を踏まえて、「繰り返されてきた津波の悲劇から何を学び何を未来に生かすのか」をテーマとした検証作業を進めてきました。この検証結果を基盤として市民有志による「釜石市防災市民憲章制定市民会議」が設立され、命を守るための「教訓」を話し合い、「釜石市防災市民憲章」を制定しました。

 防災市民憲章は、震災から学んだ、「備える」「逃げる」「戻らない」「語り継ぐ」の教訓を後世に継承することを市民が誓いあうもので、防災市民憲章を刻んだモニュメントは、犠牲者を追悼、震災の記憶を後世に伝えるため鵜住居駅前地区に整備した「釜石祈りのパーク」に設置しています。

 また、隣接する「いのちをつなぐ未来館」は、防災学習を進める拠点として整備され、鵜住居地区防災センターでの悲劇、釜石の子どもたちの避難行動などを伝える館内ガイド、防災学習プログラムの実施に取り組んでいます。

 今回の大会においても、ハイレベルセッションに登壇した野田市長から「震災後の釜石の復興・防災力強化の取組」として、あの悲しみを二度と繰り返すことがないよう、「2011.3.11を経験した釜石市民より未来のあなたへ10のメッセージ」や中学生から高齢者まで69名が登録している「大震災かまいしの伝承者」制度の創設、韋駄天競争などの「災害文化」を創ること、自然災害とともに生きる知恵「命てんでんこ」などの取組が紹介されました。

 また、クロージングでは、釜石高校生有志による防災・伝承グループ「夢団」から震災を語り継ぐ取り組みなどの紹介や釜石市防災市民憲章制定市民会議幹事による防災市民憲章の制定経過などと併せて釜石からの感謝のメッセージが伝えられました。

 震災以来、釜石市は、全国から寄せられた皆様方の心温まる数々のご支援をいただきました。そして震災を通じて、多くの方々と固い絆で結ばれたことを実感しています。

 防災推進国民大会の釜石での開催を通じて、東日本大震災から10年を経た地域の姿を発信するとともに、震災の経験や未来の命を守る教訓をより多くの方々に伝えることができたと感じています。

 全国各地で災害が頻発しているなか、将来にわたり誰一人として犠牲にならないまちづくりを進めることは、私たち共通の願いです。

 今回の大会が防災について考える機会となり、多くの方々や地域の防災意識・防災力の向上につながることを願っています。

ハイレベルセッションで震災後の釜石の復興・防災力強化の取組を発表する野田市長

ハイレベルセッションで震災後の釜石の復興・防災力強化の取組を発表する野田市長


クロージングで大会の振り返りと震災伝承活動の大切さ、防災市民憲章制定経過、感謝のメッセージを送った夢団(釜石高校生有志)と防災市民憲章制定市民会議幹事

クロージングで大会の振り返りと震災伝承活動の大切さ、防災市民憲章制定経過、感謝のメッセージを送った夢団(釜石高校生有志)と防災市民憲章制定市民会議幹事



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