防災の動き

「ぼうさい探検隊」の新たな取組み
～タブレットを活用したぼうさい探検隊・事前学習ツールの活用を開始～

〈日本損害保険協会〉

1　第17回（令和2年度）ぼうさい探検隊への応募について

一般社団法人日本損害保険協会(会長：金杉恭三)は、令和2年度（2020年度）もぼうさい探検隊マップコンクールを実施いたします。

「ぼうさい探検隊」とは、一般社団法人日本損害保険協会が主催している実践的安全教育プログラムで、子どもたちが楽しみながら、まちにある防災・防犯・交通安全に関する施設や設備などを見て回り、マップにまとめて発表するものです。

第17回からは、タブレットを活用したぼうさい探検隊、事前学習型の取組みを新たにスタートします。初めて取り組む方にとっても、短時間で、効率的な学習効果が期待できますので、是非応募をご検討ください。

（１）タブレットの活用について
事前学習、フィールドワーク、マップづくり、発表というぼうさい探検隊の一連の流れがタブレットのみで対応できます。また、タブレットを活用することで、これまでの紙によるマップ作成よりも、短時間で取り組むことができ、指導者にとっては事前準備の時間も削減できます。さらに、情報活用能力の育成となるICT教育も同時に行えるため、教育手法の一つとして活用いただくことで、幅広い学習効果が期待できます。

第16回の試行実施に参加した73チームの指導者55人、児童448人にタブレットによるまち歩きについてアンケートを実施しました。その結果、多くの指導者が、活動内容の面白さ、興味深さに注目していることに加え、タブレットを利用することで、時間短縮や準備の軽減に繋がったという回答が多数あり、十分な効果を確認することができました。また、アプリが分かりやすい、楽しかったと9割以上の児童が回答し、アプリの操作に対して抵抗なく取り組めていたことがわかりました。児童の興味・関心を集めることで、教育効果が高まることが予想されます。

（２）事前学習ツールの作成について
全国各地で大きな被害をもたらす台風・地震などの自然災害や、子どもが犯罪・交通事故に巻き込まれる事件や事故が増加しています。こうした地域の安全や安心が脅かされる社会情勢の変化に対応するには、これまで以上に、子どもたち自身で危険を予知するなど状況を的確に判断し、身の安全を守る行動を身につける安全教育が必要不可欠です。そこで、子どもたちの気づきを重視した「ぼうさい探検隊」のプログラムに加え、防災・防犯・交通安全に関する知識を事前に身につけることで、一層の教育効果を発揮できると考え、まち歩きの事前学習の手引きとして、事前学習ツールを作成しました。

イラストや写真を多く用いて、子どもたちが防災・防犯・交通安全のテーマごとにイメージしやすい内容としたほか、実際のマップを掲載してマップづくりの手順やポイントについても解説するなど、指導者用手引きとしても活用いただけるように工夫していますので、是非ご活用ください。

２　第16回マップコンクールの実施報告

令和元年度（2019年度）に実施した第16回「小学生のぼうさい探検隊マップコンクール」では、全国の小学校や子ども会・児童館・少年消防団など594団体から16,492人の児童が参加し、2,541作品が寄せられました。団体数は、前回から28団体増加し、過去最多となりました。また、市区町村など自治体に対して具体的に「提言」「改善点」などを書いた作品も多く、まち探検を通じて、子どもの視点でのまちへの提言が浸透し、より安心・安全なまちにしようという熱意が感じられました。

表彰式では、宇田川理事業務企画部長による「ぼうさい探検隊における新たな取組みについて」の説明、「タブレットを活用したぼうさい探検隊」のビデオ上映につづき、文部科学省森本安全教育調査官から、「ぼうさい探検隊とICT教育との連携について」というテーマでご登壇いただきました。

次いで、文部科学大臣賞、防災担当大臣賞、消防庁長官賞、まちのぼうさいキッズ賞、気象庁長官賞、キッズリスクアドバイザー賞、未来へのまちづくり賞、わがまち再発見賞、ぼうさい探検隊賞に選ばれた9作品の学校・団体を表彰しました。

当日は、入賞した児童、指導者、プレゼンター、来賓等144名が参加し、大盛況のうちに終了しました。

表彰式後の交流会では、「タブレットを活用すれば、効率よくマップを作成できそうであり、興味を持った」、「過去最多の参加団体があった中で受賞できたことは、大変光栄に感じる」、「様々な地域の受賞団体と意見交換することができ、マップの活用方法や作成の工夫などを学ぶことができた」などの声が多数寄せられました。