防災の動き



「CtoC」ボランティア募集で、新たな支援のカタチをつくる
〈一般社団法人FUKKO DESIGN理事 木村充慶〉

一般社団法人FUKKO DESIGNは、民間企業の有志が集まり、発災後すぐに行動することを目的として、昨年、広告会社、メディアなど様々な企業の社員で立ち上げました。本年1月より、私たちはSNSを使って個人同士が直接つながる“CtoC”のボランティア募集サービス「スケット」をスタートしました。「CtoC」とは、個人と個人が、お店などを介さずWeb上で直接やり取りをするサービスで、フリマの「メルカリ」、民泊の「Airbnb(エアービーアンドビー)」などがよく知られています。

「スケット」は、被災者が自らお願いしたい作業内容を投稿し、SNS上で広く募ります。その投稿を見て支援したいと思った人はサイトにリンクし応募。マッチングしたらSNS上でメッセージを送り合い、ボランティア活動に繋がるという仕組みです。Web上で完結し、簡単にボランティアのマッチングが行えます。

スケットロゴ

スケット画面

元々、令和元年房総半島台風の復旧支援を館山でしていた際に、ボランティアが来ないと悩んでいた人たちを見たのが開発のきっかけです。SNSを日常的に利用している人なら、自ら募集を発信できないかと考え、地元の方と連携してSNS上でボランティア募集を行いました。すると、10人以上が募集し、合計300人以上のボランティアが県内外から駆けつけました。

CtoCのボランティア募集には3つのポイントがあります。1つは生業支援ができること。お願いしたいことを自ら考えて募集できるため、生活支援にも生業支援にも対応できます。昨年の台風では、被災した農家や馬の牧場などが支援を受けられず困っていましたが、CtoCで募集を行い、多数のボランティアが支援に訪れました。2つめに様々な人が参加できること。SNSを通じて募集情報を拡散することで、今までボランティアに関心がなかった人たちも募集を目にします。馬の牧場の場合、多数の馬好きがボランティアに駆けつけました。趣味趣向でつながるSNSだからこその広がりです。3つめは深く持続的な繋がりになること。CtoCの場合、事前に直接連絡を取り合い、当日現場で会い、さらに後日SNSでつながることもできます。深く持続的な繋がりになることが多く、様々な場所で繰り返しボランティアに行ったり、復旧後に遊びに行ったりする人がいました。この3つのポイントを踏まえ「スケット」を開発しました。

今後の課題もあります。まずは災害ボランティアセンター(VC)との連携です。「スケット」で集めた情報をVCに共有することで、地域のニーズ調査にも役立て、より多くの支援につなげていきたいです。また、ボランティア活動の保険についても、CtoCが可能にする様々な活動に対応すべく、新たな保険を開発する予定です。少しでも多くの支援につなげるために、「スケット」の普及を目指していきたいと思います。



●スケット

▶https://fukko-skett.jp/ QRコード


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