防災の動き



災害時のAI 活用に向けて
~ AI 防災協議会シンポジウム~
〈AI防災協議会 事務局長 福島直央〉

AI防災協議会では、令和2年1月16日、神戸市において令和元年6月の成立から12月までの半年間の取組みと成果について振り返るとともに、今後のビジョンについて議論する場としてシンポジウムを開催し、自治体職員を中心に100名以上の参加をいただきました。

シンポジウムでは冒頭に内閣府副大臣の平将明氏からご挨拶をいただき、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム」(SIP)で実施しているプロジェクトの紹介と今後のAI活用への期待について述べていただきました。また開催地である神戸市副市長の油井洋明氏より、阪神淡路大震災から25年を迎える神戸市の防災の取組み、AI防災に対する期待について述べていただきました。

平将明内閣府副大臣

平将明内閣府副大臣

基調報告としては、半年の間に行った各プロジェクトとして、基盤的防災情報流通ネットワーク「SIP4D」、防災チャットボット「SOCDA」、リアルタイムで災害情報を共有する「Riskmap」、被災者支援FAQチャットボットについて、これまでの取組みと成果を報告いたしました。

実際にプロジェクトを実施した国土交通省中部地方整備局三重河川国道事務所、神戸市、千葉県も登壇し、「操作に不慣れな市民にどう活用してもらうか」、「自治体側の体制づくりをどうするか」といった課題等を報告いただきました。

パネルディスカッションでは「AIを使った防災とは?」と題して、実際にAIが防災においてどのような面で期待されるか、どのような面が課題か議論が行われました。AIへの期待として、行政の手続きが簡単になること、行政の事務量が削減できること、今までは得られなかった情報が収集ができること等が挙げられました。

激甚化する災害状況をみると、市民一人ひとりが災害の状況やリスクを把握し適切な避難行動ができるようにすることが求められています。国や自治体の情報をSOCDA等に取り込んで、避難行動のスイッチとなる情報発信をすることが考えられます。今後の課題としては、情報の収集と情報の提供を機能的につなげていくこと、どのように情報を出していけば避難行動につながるか等が挙げられました。

AI防災協議会では今後も議論や実証訓練等を重ねた上で、プロジェクトの検証を行い、より社会のニーズに合った防災・減災システムの構築を目指してまいります。

AI 防災協議会シンポジウム、会場の様子

AI 防災協議会シンポジウム、会場の様子

なお、AI防災協議会では令和2年1月17日に神戸市で、SOCDAを利用した市民参加型の情報共有実証実験を実施しました。多くの市民が参加し、実際に防災チャットボットでの投稿を行い、その結果、被害状況マップがリアルタイムに共有されました。このレポートについては別途公表予定です。



●AI防災協議会ホームページ

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