防災の動き



「防災推進国民大会2019」の開催報告
大規模災害に備える - まなぶ、つながる、つよくなる - 「防災を、もっと日常に」
〈内閣府(防災担当)普及啓発・連携担当〉


ぼうさいこくたい2019ロゴ

今回で4回目となる「防災推進国民大会2019」が、本年10月19日(土)・20日(日)に、名古屋市ささしまライブエリア(名古屋コンベンションホール、パークエリア、キャナルゲートエリア、中京テレビ)において、防災推進国民大会2019実行委員会(内閣府、防災推進国民会議、防災推進協議会)が主催し、全国から多くの方々にご参加いただきました。また、同時に愛知県・名古屋市主催で「あいち・なごや防災フェスタ」も開催されました。

オープニング・セッション(開会挨拶、ハイレベル対談)

オープニング・セッションでは、台風19号をはじめとする災害対応のため、武田良太防災担当大臣はビデオメッセージにて開会宣言を行いました。武田大臣は、今回の台風19号では、被害が極めて広範囲に及んでおり、政府一丸となって全力で対応に当たっていること、巨大災害に対しては、公助の取組みととともに、「自助」「共助」の取組みが重要であり、そのためには、民間企業や学会など、様々な主体が連携する必要があることを述べられた後、今年の「ぼうさいこくたい」は、南海トラフ地震の発生が予想される地域において、大規模災害に備えるための産学官を超えた共助の枠組があるということ、そして今年は災害対策基本法策定のきっかけとなった伊勢湾台風から60年であり、我が国の防災について全国民にメッセージを発信するための重要な節目となることから、名古屋市において開催することとなった経緯を述べられました。

オープニング・セッション 武田防災担当大臣による開会ビデオメッセージ

オープニング・セッション
武田防災担当大臣による開会ビデオメッセージ

その後、大村知事及び河村市長から開催地挨拶、大塚防災推進国民会議議長(日本赤十字社社長)からは主催挨拶が述べられ、本大会のテーマである「大規模災害に備えるーまなぶ、つながる、つよくなるー「防災を、もっと日常に」」を通じて幅広い世代が防災、減災への取組みの必要性について理解を深めて頂きたいと述べられ、我が国全体の防災意識向上が図られることへの期待が表明されました。

「ハイレベル対談」では、奥野名古屋都市センター長(国土審議会会長)と福和名古屋大学減災連携研究センター長が『南海トラフ地震、首都直下地震に備える国土と地域の強靭化』を対談テーマに産官学が連携した防災力向上等について意見交換を行いました。

テーマ別セッション

名古屋コンベンションホールでは、2日間で28のセッションが催されました。

内閣府及び国土交通省中部地方整備局が主催した「ハイレベルセッション・南海トラフ巨大地震へのソナエ」は、ハード・ソフト一体となった防災・減災・国土強靭化対策の必要性を再認識し、産学官民の連携により、日本の経済と産業、地域と住民を守ることを目指すことを目的として実施されました。災害対応中の平副大臣からはビデオメッセージにて、新しいテクノロジーをいかに防災・減災に活用し、効果的な防災政策を実行できるよう、防災とIT・科学技術、サイバーセキュリティ等を担当として取り組んでいくと述べました。

平副大臣によるビデオメッセージ

平副大臣によるビデオメッセージ

内閣府が主催した「地区防災計画のこれからを考える」では、地区防災計画のこれからを考え、次のステージに向けてのアクションを議論するセッションが行われました。本セッションを通じて共助の重要性や、地区防災計画の取組みの推進が再確認されました。

本大会では台風19号等の被災地支援を行うことを目的に、ボランティア連携強化のための緊急連絡会を内閣府と全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)が防災・減災・災害対応情報の共有やボランティア等の被災地支援への参画の呼びかけを目的に2日間で3回実施しました。また20日にJVOADが行ったセッションでは、行政、災害ボランティアセンター(社会福祉協議会)、民間(NPO、企業など)の三者が、どのように連携して復旧・復興に取り組んでいるのか、被災地の現状を伺いながらモレのない支援のカタチを考えると共に、日本赤十字社、中央共同募金会等にて被災地への義援金の呼びかけをブース展示にて行いました。

展示について

展示スペースでは96のプレゼンブースやポスターが並び、展示スペースには人があふれ、出展団体が日頃から行っている防災・減災活動が発表されました。

また、屋外では人命救助を学ぶコーナーや、家庭での備蓄を親子で考える企画など16のワークショップが実施され、11の屋外展示では、地震が体験できる起震車や多くの消防車両の展示、消火のための放水体験等が行われました。

  • 名古屋市消防局による「ちびっこ消防士体験」

    名古屋市消防局による「ちびっこ消防士体験」

  • 名古屋市によるワークショップ「家庭での備蓄を親子で考える」

    名古屋市によるワークショップ「家庭での備蓄を親子で考える」


クロージング・セッション

クロージング・セッションでは、秋本防災推進国民会議副議長から、主催者挨拶がされました。次に池上市民防災研究所理事より、出展団体の2020年に向けたコミットメントの成果発表がなされ、代表7団体から防災に関する様々な意欲的なコミットメントが発表されました。

その後、福和名古屋大学減災連携研究センター長からは、今年の防災推進国民大会を振り返り、地域を超えた連携、年配の方から子供まで世代を超えた連携等による取組みが大会を通じて紹介されたと総評がなされました。

福和先生による大会を振り返った総評

福和先生による大会を振り返った総評

今井内閣府大臣政務官からは、大会の締めくくりとして大会参加者への感謝と、来年の防災推進国民大会2020への期待を寄せられました。

今井政務官による閉会ビデオメッセージ

今井政務官による閉会ビデオメッセージ

効果について

約1万5千人の方が大会期間中に来場し、テレビや新聞報道でも多く取りあげられました。

来場者に対するアンケートでは、98%の人が来場により防災意識が向上したと答えており、大きな効果が見られました。

開催地である名古屋は、南海トラフ巨大地震の影響が予想される地域であり、大災害に備え、愛知県、名古屋市、名古屋大学が産業界と連携して実施する全国にも参考となる防災の取組みが端々に紹介されたのは今回の大会の特徴でした。

大会を通じて、「公助」の取組みととともに、国民一人一人が自ら取り組む「自助」、そして、地域、企業、学校、ボランティアなど互いに助け合う「共助」を組み合わせ、地域全体で防災意識を高め、あらゆる自然災害に備える「防災意識社会」を構築することの重要性が共有されたことは大きな成果でした。

次回大会について

第5回目の「防災推進国民大会2020(仮称)」は、令和2年10月3日(土)、4日(日)に広島市にて開催する予定としています。今年の成果を踏まえ、「自助・共助」及び「多様な主体の連携」をより一層深められるような大会にすべく鋭意準備を進めてまいります。



●「ぼうさいこくたい」の各セッションの動画やディスカッション等で使用した資料の一部については、「ぼうさいこくたい」のHPよりダウンロード可能です。

▶http://bosai-kokutai.jp/ QRコード




所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.