防災の動き



災害情報の配信を支えるLアラート
〈総務省情報流通行政局地域通信振興課〉

1. Lアラートとは

Lアラートは、地方公共団体やライフライン事業者等の「情報発信者」が発出した避難指示や避難勧告といった災害関連情報をはじめとする公共情報を、放送局やアプリ事業者等の「情報伝達者」である多様なメディアに対して一斉送信することで、災害関連情報等の迅速かつ効率的な住民への伝達を可能とする共通基盤です(図1)。

図1 Lアラートの概要

図1 Lアラートの概要


Lアラートから取得された情報は、情報伝達者が取材源の一つとして各種報道で利用するほか、データ放送、L字画面等での利用、その他ポータルサイト、スマートフォンアプリ、デジタルサイネージといった多様なメディアで利用されています。

2. Lアラートの普及

Lアラートは、平成23年6月の運用開始以降、着実にその情報発信者・伝達者や扱う情報を増やしており、平成31年4月に福岡県が運用を開始したことで、全国の地方公共団体からの情報発信が可能となりました。

また、昨年(平成30年)は、各地で大きな災害が多発しましたが、Lアラートは、多数の災害情報の配信に活用されました。例えば、平成30年7月豪雨では、全国で1万5千件以上の情報の配信が行われました。また、避難指示や避難所開設情報のほか、災害に関する各種お知らせ、通信、ガスといったライフライン等の情報も配信されています。

このように、Lアラートは災害時の情報伝達に不可欠なプラットフォームとして一定の役割を担うようになっています。

3.検討会報告書を踏まえた今後の取組み

こうした状況を踏まえ、総務省では、Lアラートの現状を概括し、目指すべき情報インフラとしての姿を改めて検討することを目的として、平成30年7月から「今後のLアラートの在り方検討会」を開催し、同年12月に報告書を取りまとめました(図2)。

図2 今後のLアラートの在り方検討会の概要

図2 今後のLアラートの在り方検討会の概要


本報告書では、第1章でLアラートの経緯と現状に触れた上で、第2章で今後のLアラートの普及・発展のための課題として、(1)地方公共団体からの情報発信の拡充やライフライン情報等の発信の推進などLアラートへ発信する情報の多様化、(2)スマートフォン等での利用の促進やLアラート情報の地図化の推進などLアラート情報の利用の多様化・高度化、(3)災害関連情報の正確性・迅速性の向上や安定的・持続的な運用基盤の確保などLアラートの持続的運用等について指摘しています。

なお、Lアラート情報の地図化とは、現在、テキストの情報として配信されている避難難指示等の情報を地図で表示できるよう、Lアラートを介して提供するものです。例えば、位置情報の利用可能なスマートフォン上で自らの位置情報と連動する形で地図化されたLアラート情報を表示することができれば、地域住民や外国人旅行者等が自らに必要な情報を視覚的に把握可能となります。Lアラート情報の地図化については、平成30年度で実証が完了し、今後、全国的な普及が期待されています(図3)。

図3 Lアラート情報の地図化の推進

図3 Lアラート情報の地図化の推進


また、報告書の第3章では、今後のLアラートが、「簡素・便利で持続的なプラットフォーム」を目指していくことを今後の発展の方向性とし、関係府省庁や関係団体との連携、地域における連携を図りながら、必要な取組みを行っていくべきことを指摘しています(図4)。

図4 今後のLアラートの普及・発展に向けた関係者に期待される役割

図4 今後のLアラートの普及・発展に向けた関係者に期待される役割


総務省では、本報告書を踏まえ、Lアラートの一層の普及・発展を推進していくこととしています。


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