特集 地区防災計画に関わる人々

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災害対策基本法の改正により平成26年度から「地区防災計画」が創設されました。災害の多い我が国において、行政による「公助」はもとより、国民一人ひとりが取り組む「自助」、地域、企業、学校、ボランティアなど互いに助け合う「共助」を組み合わせることが重要である中、地域住民が普段から地域のリスクを把握し、避難計画を立てる「地区防災計画」の取組みは重要です。昨今の災害においても、地区防災計画が役に立った事例が見受けられました。

平成30年4月1日時点の「地区防災計画」の策定状況を都道府県のご協力をいただきながら、全市区町村に対し調査したところ、23都道府県、41市区町村、248地区にて「地区防災計画」を市町村の地域防災計画に反映済み、また、42都道府県、132市区町村、3,206地区にて「地区防災計画」の策定に向け取組みを進めている、ということが分かりました(最終更新:平成31年2月20日)。

内閣府においては、これまで、「地区防災計画ガイドライン」の発出(平成26年3月)、モデル事業を実施し、地区防災計画の専門家をアドバイザーとして地区や自治体への派遣(平成26~28年度)、シンポジウムの開催による事例の共有等を行ってまいりました。このなかで、地区防災計画を推進するためには、地方自治体、住民のみならず、地域に所在する企業、外部からくる地区防災計画の専門家、地域内にいる防災専門家、NPO、行政等、様々な方々がそれぞれの立場から工夫しながら、関わっておられることが分かりました。

本特集においては、これらの様々な立場の方々がどのように地区防災計画の策定に取り組んでおられるか、紹介いたします。

〈内閣府(防災担当)普及啓発・連携担当〉

マンションが取り組む地区防災計画

我が国には、マンションのストックは約644.1万戸(平成29年末時点)、居住人口は約1,533万人で国民の約1割が居住していると推計されます。都市部ではマンション居住者の占める割合はさらに大きく、東京都心3区(千代田、中央、港)では8割を超えています。堅固な不燃構造の建物であるマンションは、大地震が発生したとき居住者の生命を守るシェルターとしての役割を果たします。被災後も避難所に行かずマンション内で生活継続が可能なことが分かってきました。

しかし、電気、ガス、上下水道等のライフラインが途絶する中で、マンション内で居住を継続するためには水や食料等だけでなく燃料、トイレ、医薬品等の備蓄、円満な共同生活維持や衛生管理等についてのルールも必要になります。また、損傷した建物・設備の復旧には区分所有者の合意のための管理規約の整備も不可欠です。発災時の対応についてのマニュアルだけでなく、予算措置も含む総合的な防災計画を策定、運用できる体制づくりが求められます。

一般社団法人マンションライフ継続支援協会(MALCA)は企業等の事業継続計画(BCP)と同様の「マンション生活継続計画(MLCP)」を各マンションで策定することを支援し、マンションにおける地区防災計画策定も推進しています。あわせて「マンション防災認定管理者制度」を設け、管理組合の防災担当者や自主防災組織等の担い手となる人材育成を行なっています。

高齢化と人口減少が本格的に進む中、今後マンションはますます都市居住の中心となります。マンションの防災・減災を推進するために、居住者と行政などをつなぐ中間支援組織としての役割を果たしたいと考えています。

マンション防災の担い手となる人材育成を実施

マンション防災の担い手となる人材育成を実施


〈一般社団法人マンションライフ継続支援協会(MALCA)〉

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

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