DisasterReport 災害報告

平成28年の災害を振り返る

平成28年熊本地震

4月14日21時26分、熊本県熊本地方において、マグニチュード6.5の地震が発生し、熊本県益城町で震度7を観測しました。さらに28時間後の同年4月16日1時25分には同地方において、マグニチュード7.3の地震が発生し、益城町及び西原村で震度7を、熊本県を中心にその他九州地方の各県でも強い揺れを観測しました。震度7の地震が同⼀地域で連続して発生するのは震度7が設定された昭和24年(1949年)以降初めてのことです。その後も熊本県から大分県にかけて地震活動が活発な状態となり、12月13日までに震度1以上の地震は合計4191回発生しています。

(被害状況)

この地震により、12月14日時点で、死者161人、重傷者1087人、軽傷者1605人の人的被害が発生したほか、建物の倒壊や度重なる余震等に伴い多数の避難所等が開設され、最大約20万人(熊本県18万3882人、大分県1万2443人)が避難するなど多くの住民が避難生活を余儀なくされました。物的被害として、全壊8369棟など多数の住家被害、ライフラインも水道の断水最大約45万戸、停電最大47万7千戸、ガスの供給停止最大10万5千戸となり、交通網も道路・鉄道・空路が一時不通となるなど大きな被害が発生しました。また、複数の市町村で災害対策の拠点となる庁舎が被災し、熊本県内の5市町(八代市、人吉市、宇土市、大津町及び益城町)では、その機能を公民館や体育館等に移転し、災害対応業務等が行われました。

非常災害現地対策本部・熊本県災害対策本部合同会議(熊本県庁内)
多数の家屋が倒壊(熊本県益城町)
地震による大規模な土砂崩れで阿蘇大橋が崩落、死者も発生
表 熊本地震による人的被害・住家被害の状況(平成28年12月14日18時現在)

(政府の対応)

政府は、地震発生直後の4月14日に内閣府に防災担当大臣を本部長とする非常災害対策本部を設置するとともに、総理大臣出席者の下で非常災害対策本部会議(第1回)を開催しています。さらに、現地の被害状況を詳細に把握するため、同日中に内閣府情報先遣チームを熊本県庁に派遣し、翌15日朝には熊本県庁に非常災害現地対策本部を設置するなど、被災自治体と一体となって人命の救命・救助、物資支援等の災害応急対策を進めました。17日には熊本地震被災者生活支援チームを立ち上げ、被災者の方々の多様なニーズに基づいた生活支援を行いました。さらに、被災地の復旧・復興を迅速かつ強力に進めるため、平成28年熊本地震復旧・復興支援連絡調整会議を立ち上げ、政府一丸となって被災地の復旧・復興に取り組んでいます。

表 政府の主な対応状況

8月に相次いで発生した台風(台風第7号、第11号、第9号、第10号)

8月に相次いで発生した台風第7号、第11号、第9号は、それぞれ8月17日、21日、23 日に北海道に上陸しました。台風第10号は、8月30日に暴風域を伴ったまま岩手県に上陸し、東北地方を通過して日本海に抜けました。一連の台風や前線の影響で、北海道で16日から31日までの総雨量が800ミリを超える地点があるなど記録的な大雨となりました。北海道に台風が3つ上陸したこと、東北地方太平洋側に台風が上陸したことは、気象庁が昭和26年(1951年)に統計を開始して以来で初めてのことです。

(被害状況)

一連の台風により、北海道、岩手県を中心に河川の氾濫、浸水、土砂災害が発生し、11月16日時点で、全国で死者・行方不明者29人、重傷者14人、軽傷者88人の人的被害が発生しました。物的被害として全壊504棟など住家被害計9298棟、道路や電気・水道等のライフライン、農地や農林水産業の施設、収穫間近であった農作物等にも大きな被害が生じました。また、岩手県の久慈市、岩泉町では、河川のはん濫や土砂崩落などにより道路が寸断され、多くの地域が孤立しました。

岩手県岩泉町のグループホーム被害状況

(政府の対応)

政府は、災害への警戒態勢を確保するため台風上陸前から関係省庁災害警戒会議を開催するともに、内閣府の防災ツイッター等を通じて国民の皆様に対し、災害から自らの身を守るため早めの積極的な避難を呼びかけました。発災直後には、総理からの指示を踏まえ、直ちに関係省庁の局長級会議や関係省庁災害対策会議を開催するとともに、被害の大きかった北海道、岩手県に政府調査団を派遣しました。また、孤立が多数の地域で発生していた岩手県に政府現地連絡調整室を設置し、被災自治体と緊密な連携を図りつつ、政府一丸となって人命の救命・救助、被災者に対する支援等の災害応急対策を進めました。

さらに、被災地の復旧に向けた動きとして、9月16日には、北海道や東北地方に甚大な被害をもたらした8月後半の台風による災害を「一連の災害」として激甚災害に指定し、公共土木施設や農地及び農林水産業共同利用施設等の災害復旧事業に係る特別措置等を講じています。

松本防災大臣と岩手県知事との意見交換

鳥取県中部を震源とする地震

10月21日14時7分に、鳥取県中部を震源とするマグニチュード6.6の地震が発生し、鳥取県倉吉市、湯梨浜町、北栄町で震度6弱を観測しました。この地震による余震活動で12月20日までに震度1以上の地震を437回観測しています。

(被害状況)

この地震により、12月21日時点で、重傷者5名、軽傷者25名の人的被害が発生しています。物的被害としては鳥取県倉吉市、北栄町を中心に全壊14棟等の住家被害計1万4444棟、停電最大約7万6千戸、断水最大約1万6千戸等の被害が生じています。

(政府の対応)

政府は、地震の発生直後から総理の指示を踏まえ、直ちに関係省庁災害対策会議を開催するとともに、29日に内閣府副大臣を団長とする政府調査団を鳥取県へ派遣し、被災自治体と緊密な連携を図りつつ、災害応急対策に取り組みました。

倒壊家屋の被災現場を調査する松本内閣府副大臣(鳥取県北栄町)
〈内閣府(防災担当)災害緊急事態対処担当〉

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

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