シリーズ 一日前プロジェクト(第30回)

もし、1日前に戻れたら…
私たち(被災者)から皆さんに伝えたいこと

お財布、保険証、おくすり手帳……いつものバッグが身の助けに(福島県新地町 60代 女性 主婦員)

東日本大震災(平成23年3月)

地震が起きたとき、すぐに「逃げなければ」と思いました。避難場所は指定されていたので迷いませんでした。それでも、避難するとき私が持っていたのは、いつも使っている小さなバッグだけでした。家を飛び出すときに、なぜか「そうだ! 免許証!」とだけはひらめいて、このバッグと一緒にあわてて持ち出したのですが、ほかのことは何一つ考えられませんでした。本当に着の身着のまま、夢中だったのです。
避難後、家はまるごと津波に流されてしまいましたから、手元にはこのバッグ以外残りませんでした。ただ、この中にお財布、保険証、診察券、おくすり手帳などが入れっぱなしになっていたのが幸いでした。薬自体は持ち出せませんでしたが、後から病院に行って、処方してもらうことができました。保険証や免許証は身分証明書代わりにもなり、後々本当に役に立ちました。大事なものはひとまとめにしておくと、いざというときにさっと持ち出せると思います。
欲を言えば、お財布の中にもう少し多めに現金を入れておけばよかったかも。ただし、いったん逃げたら、お金をとりに家に戻ったりしては絶対にいけません。それで亡くなった人がたくさんいるのですから。

https://www.bousai.go.jp/kyoiku/keigen/ichinitimae/index.html

被災者の実体験を聞く事ができる『一日前プロジェクト』は上記HPでも見ることが出来ます。家庭はもちろん、地域や職場等、
さまざまな話が掲載されていますので、企業の「社内報」や地域での「広報」に幅広く活用してください。

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