防災 Q&A

Q:マニュアルを作り定期的に訓練もしていますが、防災対策はこれでいいのか不安です。

被害想定など科学的知見を踏まえた内容になっているか検証してみましょう。

子どもたちが園や学校いる時間帯に災害が起きることを想定し災害時の行動マニュアルの作成や様々な訓練を実施していることと思います。ここで、さらに防災力を上げるためにすべきことをお伝えします。まず、自治体が作成しているハザードマップでその地域の災害特性、地域防災計画等から被害想定を確認します。たとえば、その施設で地震による影響が大きく最大震度が6クラスであれば、行動マニュアルや訓練が震度6クラスに対応する内容になっているかを検証します。このとき、E−ディフェンスなどの震動実験映像等を参考に震度6クラスがもたらす被害のイメージを職員で共有しておくことが重要です。過去の被災状況から施設・設備への影響、職員や子どもの負傷程度、保護者の帰宅困難度、医療機関、流通、避難所などを考察します。私が園や学校の取り組みで不安に思うのが、多くの施設でその地域の最大震度が大きいにも関わらず、対策や訓練が震度3~4レベルの内容であるという実態です。甘い想定で実施していては想定外の事案をもたらすだけで解決策に成り得ないということです。避難訓練の前に、全員が生きていて行方不明者も負傷者も数人という想定で間違いか、安全な環境の構築など取り組むべき対策の優先順位や重要度を明らかにして、その課題と向き合いましょう。

説明図

イラスト:井塚 剛

危機管理教育研究所 危機管理アドバイザー 国崎 信江
くにざき・のぶえ
阪神・淡路大震災を機に、女性の視点を生かして自然災害から子どもを守るための研究を始める。防災・防犯関連の著作、講演のほか、内閣府・文部科学省など多くの防災関連の専門委員も務めている。

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.