Disaster Report 災害報告

平成24年の災害を振り返る

平成23年度の大雪

平成23年12月下旬から、日本海側を中心として記録的な大雪となりました。全国の累積降雪量では、「平成18年豪雪」までには至っていないものの、過去5年間の平均を28%上回りました。
この大雪により、屋根の雪下ろしや除雪作業中の事故等により、死者134名、負傷者1,991名の人的被害が発生したほか、住家全壊12棟、住家半壊10棟、住家一部破損671棟等の物的被害が発生しました。
また、ビニールハウス等の損壊やリンゴの枝折れ、野菜の損傷等の農林水産関係の被害、断水、交通障害等が発生しました。(10月10日現在)

雪下ろしの様子(新潟県上越市)

5月に発生した突風等による被害

5月6日は、東海地方から東北地方にかけて大気の状態が非常に不安定となり、落雷や突風、降ひょうを伴う発達した積乱雲が発生しました。特に、茨城県つくば市付近においては風速が毎秒70〜92mに達すると推定される竜巻(藤田スケール※のF3)が発生し、また、栃木県真岡市から茨城県常陸大宮市にかけての地域においては風速が毎秒33〜69mに達すると推定される竜巻(藤田スケールのF1 〜 F2)が、茨城県筑西市付近においては風速が毎秒33〜49mに達すると推定される竜巻(藤田スケールのF1)が発生しました。
この災害により、死者3名、負傷者59名の人的被害が発生したほか、住家全壊89棟、住家半壊197棟など住家・非住家合計で1,900棟を超える物的被害が発生しました。
また、ビニールハウス等の損壊や農作物の損傷等の農林水産関係被害や文教施設等の被害が発生しました。(6月13日現在)

竜巻による被災現場(茨城県つくば市北条地区)

梅雨期における被害

本年は、沖縄と奄美地方が5月13日頃に梅雨入りし、6月9日頃までには中国から東北地方北部までが梅雨入りしました。梅雨期の降水量は、東北地方と北陸地方で少なく、関東甲信地方、東海地方、中国地方で平年並だった一方、他の地方は多く、特に奄美地方、九州南部、四国地方ではかなり多くの降水量が観測されました。
7月11日から14日にかけては、本州付近で停滞した梅雨前線に向かって南から湿った空気が流れ込み、西日本から東日本にかけての広い範囲で大雨となり、とりわけ、熊本県と大分県を中心にこれまで経験したことのないような大雨となりました。この大雨により、筑後川水系花月川や矢部川水系矢部川での堤防決壊、多数の土砂災害の発生などにより多くの被害が発生しました。
気象庁は、7月11日から14日に九州北部地方で発生した豪雨について、「平成24年7月九州北部豪雨」と命名しました。
これらの梅雨期の大雨により、死者32名、行方不明者3名、重傷者14名、軽傷者99名の人的被害が発生しました。また、全壊366棟、半壊1,510棟、一部破損444棟、床上浸水3,493棟、床下浸水1万898棟の住家被害のほか、ビニールハウス等の損壊や農作物の冠水等の農林水産関係の被害、文教施設の被害等が発生しました。(8月10日現在)

※藤田スケール(Fスケール)
竜巻などの激しい突風をもたらす現象は、既存の風速計から風速の実測値を得ることは困難です。このため、1971年にシカゴ大学の藤田哲也博士により、竜巻やダウンバーストなどの突風により発生した被害の状況から風速を大まかに推定するために考案された竜巻の強さの指標です。
詳細は、左記の気象庁ホームページでご覧いただけます。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/tornado1-5.html

梅雨期の大雨による被災現場(熊本県阿蘇市三野地区)

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