防災 Q&A

Q:高齢者自身はどのような備えをすればいいですか?

A: 体力や行動の特性を考えた安全な環境を作る。また、高齢者がかかりやすい震災時の疾患を知り、予防のための備えを見直しましょう。

高齢者の世帯ではなにかと物が多く、たんすの上に物を積み上げているといった危険な環境になりがちです。
しかも、それが寝室や居間である場合が少なくありません。とっさに機敏な行動が取れない、重いものを持ち上げられない状況を踏まえ、日ごろから極力物を少なくし、よく使用する部屋(寝室、居間、台所など)は安全な空間にしましょう。
避難生活では、糖尿病などの慢性疾患で食事制限が必要な人や、飲み込む力が弱くなった人は配給された食事が食べられないことがありました。必要な栄養素を摂取できず、免疫が低下し体調を崩すことのないよう、自分が食べることの出来る非常食を準備しておきましょう。
また、仮設トイレが屋外にあり、常に長蛇の列で使い勝手もよくないという劣悪な環境であったため、水分摂取を控えてしまい、血が濃くなって血管を詰まらせ脳梗塞や心筋梗塞を起こすこともある「脱水症状」になった人もいました。トイレを気にせずに水分を摂取できるよう、災害用トイレを備蓄しておくことが大切です。
他にも、義歯ケースを持ち出すことができず、ずっと装着し続け口の中が不衛生になり、誤嚥性肺炎で亡くなった方もいました。普段の生活に欠かせないもの(義歯ケース、補聴器、杖、老眼鏡、常服薬など)は予備をしっかり用意しましょう。

普段の生活に欠かせないものは予備をしっかり用意しましょう。

イラスト:井塚 剛

危機管理教育研究所 危機管理アドバイザー 国崎 信江
くにざき・のぶえ
阪神・淡路大震災を機に、女性の視点を生かして自然災害から子どもを守るための研究を始める。防災・防犯関連の著作、講演のほか、内閣府・文部科学省など多くの防災関連の専門委員も務めている。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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