防災リーダーと地域の輪 第2回

防災リーダーの一言

 いま、一番心配しているのが後継者です。これまでは、96年に神戸に視察に行ったメンバーを中心に活動を進めてきましたが、私も含めて60代、70代の人が増えてきました。特別防災隊も、定年退職者が多いのが現実。要援護者の避難など、どうしても若い力が必要になりますが、みんな「仕事があるから」と逃げてしまいます。我々も始めたころは40〜50代で、仕事と両立させてきたのですが、最近は「何でそこまでやるの?」と言われてしまうこともあります。たしかに、活動費用の足しにと、町会で資源回収を行ったり、市から排水ポンプの監視業務を請け負うといった仕事もしているので、とても大変なように見えるのかもしれないですね。
 しかし、希望がない訳ではありません。他の地域では、防災訓練等もまじめに出る人は少ないかもしれませんが、水谷東ではまだ、休むと申し訳なく感じるほど参加者が多いのです。そんな中で、一生懸命動いている人を見かけたら、特別防災隊にスカウトします。最初は嫌がっていても、制服とヘルメットを着用すると、なぜか、ビシッと筋が通るような感じになります。また、最近は20代の人を体育指導員として町会役員に抜擢しました。彼を中心に、若い世代を増やして、一気に世代交代を狙っています。
 水谷東が防災に力を入れていることについて、周囲からは「あそこは水害があったから」と言われるのですが、それだけではないと思います。町の人と交流するのが好き、みんなで何かをつくりあげるのが好きという気持ちが強いこと、そうした関係を一つ一つ積み上げてきたことが大きいと考えています。住民の自主的な活動を行政が支え、地域ぐるみで日々の活動を継続する。楽しみの中で住民の“絆”と“和”をはぐくむことで、本当の地域防災力が生まれるのではないでしょうか。

清水 実さん

清水 実
しみず・みのる
埼玉県富士見市 
水谷東小学校区自主防災会連絡会 
代表幹事

防災ちょっとクイズ

Q 一般に、「災害用伝言ダイヤル」は、数字3ケタで、何番でしょう?

A 171
  災害用伝言ダイヤルは、平成10年(1998年)に始まったサービスで、地震、噴火などの災害が発生した場合に、被災地の方は、電話番号171に電話してメッセージを録音し、被災地以外の関係者も、やはり電話番号171に電話して、メッセージを再生するシステムです。

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

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