防災 Q&A

Q:小さな子どもがいる家庭ではどのような備えをすればいいですか?

A: 「揺れそのものから生命を守る」「恐怖や不安に対する心のケア」「被災後の生活に必要なもの」「社会的弱者であること」に対する備えをしましょう。

子どもの発達段階によって災害時に必要なものは異なります。備えのポイントは「長期の旅行に出かけるときに必要なもの」にプラスして、災害時の状況を勘案して「水と食事とトイレとお風呂の代わり(ウェットタオル、水のいらないシャンプー等)」を用意することです。

地震の揺れから子どもを守るとき、ドラマのように、自分の身を挺して子どもを庇うというイメージばかりでは子どもを守れません。目の届く場所にいても、揺れの激しさに子どものところまでいけなかったという声があるように、そばに大人がいなくても安心して過ごせる環境こそが大切なのです。子どもの目線に立ち、子どもの背丈を越える重い家具が未対策でないか確認しましょう。

子どもは地震が何かを知らないため、揺れの恐怖や被災後の変化に不安を感じます。親のうろたえる姿や泣き崩れる姿が一層不安を増大させます。早期に「もう大丈夫よ」という安心させる声がけ、できるだけ一緒にいるなど心をケアする対策をしましょう。震災時のストレスが弱い立場の者に向けられることもあります。避難所で周りへの迷惑を考えるあまり、泣き止まない子どもを何度も叩いた、髪の毛をむしった、生活再建が上手くいかず子どもに当たったという児童虐待の報告があります。また、避難所や仮設トイレ等での性犯罪に関する被害も報告されています。災害時にはこのような事案からも子どもを守る対策が重要です。

イラスト:井塚 剛

危機管理教育研究所 危機管理アドバイザー 国崎 信江
くにざき・のぶえ
阪神・淡路大震災を機に、女性の視点を生かして自然災害から子どもを守るための研究を始める。防災・防犯関連の著作、講演のほか、内閣府・文部科学省など多くの防災関連の専門委員も務めている。

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