「災害被害を軽減する国民運動サポーター」対談

内閣府で推進している「災害被害を軽減する国民運動」のサポーターである女優の竹下景子さんと名古屋大学の福和伸夫教授の対談が行われました。
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竹下さん わたしは世田谷消防署の災害支援ボランティアに登録しているんですが。登録してから10 年以上たちます。

福和教授 その消防署のボランティアは、どういうことをされるんですか。

竹下さん 訓練では、もちろん消火活動とか自分で身を守るっていうこともありますが、わたしたちは主に、消防署に訪ねてきた人や電話などの対応になりますね。消防署の職員の方たちは被災地に出かけているので、怪我をされた方たちの救助もあります。

福和教授 それは自ら進んでそのボランティアに立候補されたんですか?

竹下さん 阪神・淡路大震災の1 年後か2 年後だったと思いますが、地域でも防災意識が高まり、町内会主催の救命救急の講習会があったんですね。その救命救急の講習を受けた際に登録しました。

福和教授 自分の問題として感じられたから、災害にかかわってこられたんですね。

竹下さん 何かあったときに家族はどうすればいいんだろうということも思いましたし、わたしたち俳優の仕事の場合は、決まった場所に通勤するわけではないので、いつどこに行っているかも分らないわけです。ですから出先で被災することもあるかも知れない。そうした時に自分が慌てないで、落ち着いて、そこで何ができるか、少しでもいい対応が出来ればいいなと思って始めました。

福和教授 始めることは比較的誰でもできますが、続けるというのがすごく大変じゃないですか。なんとなく風化してしまいますよね、色々なものが。

竹下さん 一番はもう、そこにいる人たちのモチベーションの問題ですよね。どうやって意識を保ち続けるか。

福和教授 国民運動のサポーターとして、さまざまな活動をされていると思いますが、他の活動について少しご紹介いただけますか。

竹下さん 朗読会と、あとは日頃近隣の方たちと一緒に自分たちの町を歩いたりして、防災意識をお互いに「忘れないでいようね」と。地域のコミュニティーもなかなか作りにくい時代になってきてますので、防災・減災をキーワードにして、ご近所同士のお付き合いができるのはいいことだと思っています。

福和教授 国民運動のサポーターとして、これから多分やってくるであろう自然災害に対して、国民の皆さんにお伝えしたいメッセージがあればぜひ。

竹下さん はい。自然というのは、もちろん豊かであって欲しいし、美しいですけれども、この冬の雪を見ても分るように、わたしたちの予測を裏切って、予想以上の出来事が起こるわけですよね。自然の大きさ、驚異、人間の弱さ、もろさっていうことは、こうやって便利な生活になっていけばいくほど忘れがちです。でも、自然災害というのはいつ起こるのか分らない。地震1 つ取っても、近い将来必ず誰かが経験するわけですから、災害への心構えを、年長者が何度も口をすっぱくして語っていくことが大切だと思います。
  学校でも防災教育というのが徐々に浸透してきているようですが、学校で終らせないで、「じゃ、いざというときはどうすれば」、「おうちの中だったらどうするか」、「逃げる場所はどうするか」、「連絡はどう取り合うか」というようなことは、家庭で子どもたちと話し合って、ご近所づきあいの中でも、繰り返し話し合っていく必要があると思いますね。

福和教授 昔持っていた家庭の力とか、地域の力とかって徐々に弱くなっているので、もう一度それを復活させないといけないですね。

竹下さん 防災訓練などに参加することで、わたしはその地域のつながりが見えてきた部分があります。また、家庭の力も、もう一度、減災・防災をキーワードに、太く作っていけるようにしていきたいなと思います。そういうふうに皆さん考えていただければうれしいですね。

本文は、お二人の対談内容を一部抜粋したものです。
対談全体は、内閣府「災害被害を軽減する国民運動のページ」に掲載されます。
https://www.bousai.go.jp//kyoiku/keigen/index.html

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撮影:相澤 正

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内閣府政策統括官(防災担当)

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