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女優・タレント 高田 万由子さん (「高」は正しくは、はしご高)

テレビのクイズ番組やコマーシャルなどで活躍中の高田万由子さん。
自宅では万全の防災対策に努めています。
防災対策をはじめたのは、知的で冷静な印象からは少し意外な理由から。
家族を守るため、高田さんが実践中の防災の工夫やお考えについて話を伺いました。

家族の顔を思い浮かべながら、非常持ち出し品にもひと工夫

 「子供の頃から、すごく地震が怖くて、嫌いで…。でも、自分が親になり、子供達を守らなければいけない立場になった時に、私がただ『怖い、怖い』と言っていても仕方がないと気付いて…。『この怖さに打ち勝つためには何をしたらいいか』と考えた時、万全な備えをもって地震に立ち向かうしかないなと思ったんです(笑)」と高田さんは、防災対策に取り組んだきっかけを明かしてくれた。
 「子供たちにも、地震を怖がるだけでなく、地震が来たら、どのように身を守るかということは、普段から教えています」
 街中でも、地震の揺れで倒れてきそうなものやビルの窓ガラスなど、危険箇所について一緒に話しながら歩いているそうだ。
 また、高田さん自身「仕事先に着いたら、必ず直ぐに『地震が今起きたら、何処でどうやって自分の身を守ろうか』と確認するんです。例えば、テレビ局のスタジオ等では、『天井からぶら下がっているライトが落ちてこないところに逃げよう』とか…」
 「何が怖いかと言えば、揺れたら、『きっとアレが倒れてくる、コレが落ちてくる』、『火事になる』ということ。揺れそのものよりも地震によって起こる被害が怖い。『その被害さえ食い止めれば怖くないのでは』と思ったんです。ですから、少なくとも家にいるときは、家族が誰も犠牲にならないように努めています」
 「自宅の防災対策は、まずは、怪我をしないこと」と話す高田さん。「災害時に怪我をすると大変なので、手足を切ったりしないように、各寝室に軍手と避難用の靴、そしてヘルメットも置いてあります。ヘルメットは、実家の母たちのところにも配ってあるんです」
 もちろん、家の中に、倒れそうなものはできるだけ置かないように気をつけて、家具は金具等でしっかり固定。また、仕事で日本全国を飛びまわることの多いご主人には、鞄に携帯用のラジオを入れてもらうようにしているそうだ。
 高田さんは、自宅の非常持ち出し袋の中身にも、ひと工夫。「家の非常持ち出し袋は、ごく普通のものですが、“各家庭で必要な物”というのが、+α(アルファ)であると思うんです。私も『自分だったら何が一番必要かな』と頭の中でシミュレーションをして、連絡に使えるメモ用紙と筆記用具なども非常持ち出し袋に加えています」
 「大人は我慢できますが、子供のものは、きちんと準備しておかなければいけないなと思いました。 子供が小さかった頃は、オムツや粉ミルク、哺乳瓶。乳児のオムツはかなりの量が必要ですよね。そして気がつくと、子どもの足が大きくなっていたり、洋服のサイズも変わっているので…」
 「子供だけでなく、お年寄りが家にいらっしゃる方なども一緒だと思います。家族一人ひとりの顔を想像しながら『あの人にはこれが必要だ!』というものを、最低限は準備することが大事だと思うんです」
  「私は、仕事で各地に移動することがあるので、やはり子供がいる場所から離れる時は、凄く心配なんです。ただ、いろいろと心配すると、ちょっと過敏になりすぎるので、『出来る範囲の対策をしよう』という風にしています」
  家族のことを想いながら想像力を働かせ、前向きにいろいろな工夫に取り組む姿勢は、ぜひ見習いたい防災対策だ。

髙田万由子さん

撮影:岩佐 英一郎

髙田万由子さん

Profile たかた・まゆこ
女優・タレント。東京都生まれ。大学在学中、雑誌の表紙を飾ったのをきっかけに芸能界デビュー。ドラマ、CM、映画や舞台などで女優として活動。近年は、クイズ番組やバラエティ番組でも活躍。また、女優業、タレント業だけでなく、エッセーや料理本の執筆、絵本の翻訳も手がける。1999 年にバイオリニストの葉加瀬太郎氏と結婚し、現在は、一男一女の母でもある。「仕事を始めて約20 年。今後もゆっくりのペースで、そして海外での主人の仕事の手伝いも含めて、少しグローバルなことも出来たら、と思っています」と今後の抱負を語る。

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