Disaster Management News—防災の動き

1.17 防災未来賞「ぼうさい甲子園」の取り組み

兵庫県では、阪神・淡路大震災の経験を通して学んだ自然の脅威や生命の尊さ、共に生きることの大切さを考える防災教育を推進し、未来に向けて安全で安心な社会をつくるため、子どもや学生が学校や地域で主体的に取り組んでいる防災活動を顕彰する事業を毎日新聞社及び(公財) ひょうご震災記念21世紀研究機構との共催により実施しています。

  7年目となる今年度は、小・中・高・大学の4部門に計101団体の応募があり、18団体が受賞。そのうち、グランプリやぼうさい大賞、優秀賞に輝いた団体など10団体が、1月に神戸で開催された発表会で活動内容を報告しました。

【グランプリ】

「地域で家具転倒防止を呼びかけ」
徳島市津田中学校(徳島県)
 平成17年から総合学習の時間に防災講座を開講し、将来のリーダー育成に力を入れている。3年生は夏休みに校区の高齢者宅を回り、徳島市が今年度から実施している固定具取り付けの補助事業を紹介しながら、地震の際、下敷きにならないために家具固定の大切さを訴えた。住民意識調査の結果、他の地域に比べ校区内では家具の固定が進んでいないことが分かり、生徒が対策を考え計画した。2年生は、非常食になるジャムを校区の人たちに教わりながら学校で作り、地域の人に配り歩いた。

徳島市内で学習の成果を発表する
津田中学校の生徒たち

【ぼうさい大賞】

「台風をきっかけに、子供にも防災力を」
 12歳教育推進事業実行委員会(愛媛県)
 平成16年の台風による水害を機に、子どもたちに防災力を高めてもらおうと平成18年から年3回防災サミットを開催。西条市内の6年生は約1,100人で、2回は各校の代表、3回目は全員が集い、サミット宣言を採択している。今年度の第2回サミットでは、児童代表約50人が集い、各学校での独自の活動を紹介。さらに子ども防災キャンプでは、非常食訓練や図上演習などを通して、防災に関する知識・技能・判断力・思考力などを身に付けた。

西条市の12歳教育推進事業実行委員会の開いたサミット

【ぼうさい大賞】

「ハザードジオラマなどで水害を考える」
愛知県立日進高等学校(愛知県)
 6年前から防災教育を始め、東南海地震を想定した防災カルタや紙芝居を制作し、自ら学ぶとともに子どもたちに防災の大切さわかりやすく伝えてきた。今回は、初めて水害の防災教育に挑戦。市内を流れる天白川が氾濫した場合の浸水状況を立体的に表した洪水ハザードジオラマの制作、天白川源流での住民との清掃活動などを行ってきた。今年は洪水をテーマに、洪水の怖さや避難の大切さを描いたオリジナル紙芝居「まけないで!!くる子」を制作し、地元小学校で読み聞かせの出前授業を行った。

洪水の怖さや避難の大切さを伝える

【ぼうさい大賞】

「防災紙芝居で幅広い層に防災の啓発を」
愛媛大学防災情報研究センター(愛媛県)
 センターは平成16年の台風による豪雨災害などを機に、平成18年に発足。当初から防災教育に力を入れてきた。これまで、教員らが四国各地に伝わる自然災害の教訓を扱った「四国防災八十八話」の編集に携わり、学生らも協力し、小学生向けの紙芝居や漫画も制作した。平成20年度には、新居浜市の小中学生を対象に読書感想文コンクールを行うなど、「八十八話」を通した防災教育を展開した。昨年度は、愛南町内の全小中学校が参加し、紙芝居と本を題材にした読書感想文コンクールを実施した。約2,000 人の児童・生徒が参加し、優秀作品はセンターのホームページで公開している。コンクールは今年度も実施する。

紙芝居を使った出前授業風景

アクセス
ぼうさい甲子園
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所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

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