内閣府「震度6強体験シミュレーション」

 内閣府が作成しインターネット上で公開されている「震度6強体験シミュレーション」。
 具体的にどのようなものでしょうか。試しにやってみました。

震度6強体験シミュレーション

 インターネット上で「震度6強体験」で検索すると、「震度6強体験シミュレーション」のページがヒットする。開くと、イラスト調の青い家が出てきて、若干の設定をするようになっているが、全体的にシンプル、むしろ地味な印象だ。
 とりあえず、「家具固定なし」「耐震強度なし」と設定し、スタートボタンを押した。
 真っ暗な画面に「ある日あなたはリビングでテレビを見ていました」というテロップが流れ、続いて普通の家のリビング兼台所のような部屋が、アニメーション風で現れる。主人公っぽい高校生?のような男の子が、テレビを見ている。薄型の液晶タイプの大きなものだ。台所のコンロには、ナベがかかっている。今夜のカレーか、シチューだろうか。ん?コンロの火はちゃんと燃えた感じになっているし、ナベからは湯気が立っている。なかなかリアルである。さらに壁のカレンダーはまさに今日の日付になっている。心にくい仕掛けだ。

最初の比較的シンプルな画面。ここで簡単な設定をする。

シミュレーションの進行

 シミュレーションは、地震の発生からスタートする。
  突然、「緊急地震速報です!緊急地震速報です!強い揺れに警戒してください、身の安全を確保してください」との注意がテレビから聞こえ、続けて「他の部屋には家族がいます。どうしますか?」という問いと、選択肢が表示される。「A 速報を大声で伝える」、「B 家族がいる部屋に走る」の2つ。うーん、どっちだろうか。迷う。声だけでは助けられないから、家族の方に行くようにしよう。「B」を選択。しかし!「ブブー」という音とともに、「−5」の文字が。間違いだったようだ。「緊急地震速報が出たあと、地震が到達するまでわずかな時間しかありません」などの解説が表示された。わずかな時間しかないから、大声で呼ぶのが正しいようだ。
   この後も、次から次へと質問が出され、そのたびに選択肢をクリックする形で状況が進んでいく。まさに「命の選択」だ。最も正しい選択肢を選ぶと、「GOOD」の文字が、また、最も正しい選択肢以外の場合は、その間違いの「程度」に応じて「マイナス何点」と表示される。最初の持ち点は100点だが、マイナスの点を取ると、どんどん減点されていき、画面上の持ち点ゲージが減っていく。0になったらゲームオーバーだ。
   ゲーム自体は10分もかからない。選択場面もわずか5カ所である。しかしその答え合わせごとに必ず解説が示される。ゲームを進めながら、自然と防災知識が身につく仕掛けだ。

正解すると「GOOD」の文字が。

次々と「選択肢」が示される。緊張する場面だ。

システム作成の経緯

 このシステムは、どのような経緯で作られることになったのだろうか。
 このシステムの企画を行った内閣府の山崎企画官に聞いた。
このシミュレーションを作ったきっかけを教えてください
 山崎 みなさん「防災」にはとても高い関心をお持ちですが、耐震化や家具固定などをされている方はまだ多くありません。高い認識が実際の行動に必ずしも結びついていないのです。そこで、災害、特に地震発生時にとるべき行動に対する理解を、とても気軽な方法で深めていただける手段はないか考え、このようなゲーム的なものをと思いました。
みなさんに向けてメッセージを
 山崎 できるだけ多くの方にこれを体験していただきたいです。もちろん、実際の災害では、ゆっくり選択肢を選んだりできないし、冷静に判断するゆとりもありません。しかし、だからこそ、いずれ起こる災害に備え、あらかじめ行動を「イメージ」しておくことがとても大切です。その一つの手段として、このゲームを気軽に使っていただきたいと思います。

最後に「採点」が。結果に唖然・・・。

システムの企画を行った内閣府の山崎企画官

震度6強体験シミュレーションは、インターネットで「震度6強体験」で検索。簡単な設定ですぐ開始できる。
詳細は、内閣府政策統括官(防災)災害予防担当 03 -3501 -6996「震度6強体験シミュレーション担当」まで。 http://bosai.marvista.jp/

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

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