Topics 2 中央防災会議

「重要文化財建造物及びその周辺地域の総合防災対策のあり方」の報告について

平成21年4月21日の中央防災会議において、「重要文化財建造物及びその周辺地域の総合防災対策のあり方」が報告されました。

 この報告は、重要文化財建造物とその周辺地域を一体的に捉え、地域全体の防災力を高めるための方策等について総合的に取りまとめたものです。
 平成20年2月に開催された中央防災会議において、大規模地震時に市街地大火からの延焼等により多数の重要文化財建造物が被災する可能性があることが報告されたことから、学識経験者や文化財所有者等から構成される「重要文化財建造物の総合防災対策検討会」(座長…土岐 憲三立命館大学教授)を設置して、検討を行ってきました。
 今後、この報告に基づき、国の関係省庁や地方公共団体等が連携して、重要文化財建造物の周辺住民を含む地域が一体となり、重要文化財建造物とその周辺地域の総合的な防災対策を推進していくこととしております。
 報告の主な内容は下記の通りです。

[1]地震時の被害の特徴

  • 地震時には、断水や設備・配管等の破損により、消火栓等の消防水利や、放水銃、ドレンチャー設備等の防火設備が使用できない可能性がある。
  • 地震時には、火災の同時多発的な発生と道路の通行障害等があいまって、場所によっては消防機関が到着できない事態も想定される。
  • 同時多発火災による市街地大火が発生すると、周辺地域の延焼が重要文化財を含めた地域一帯に広がる危険性がある。

[2]主な対策

  • 地震時に使用可能な消防水利及び防火設備の確保
     地震時にも確実に利用可能な水利(耐震性貯水槽や河川等の自然水利等)の確保、耐震性に優れた配水管等の管路や地震時にも使用可能な可搬式ポンプ等の防火設備の整備等が必要である。
  • 重要文化財建造物の所有者等と地域住民の共助体制の構築
     重要文化財建造物の所有者等が地域住民と協働して出火防止、早期発見及び初期消火を確実に行い、地域全体として火災を初期の段階で抑える等、重要文化財建造物の所有者と地域住民等の共助体制を構築することが必要である。
  • 重要文化財建造物の周辺地域における延焼防止対策の実施
     市街地からの延焼拡大防止のため、地区の特性や住民の意向を踏まえ、重要文化財建造物の周辺地域における建物の不燃化や公園等の整備による空地の確保等を行うことが重要である。
  • 「重要文化財周辺地区防災計画(仮称)」策定の検討
     重要文化財建造物及びその周辺地区を一体的に捉え、消防水利や防火設備の整備方針、災害時の連絡体制や避難方法等の地区の防災に関わる事項をまとめた「重要文化財周辺地区防災計画(仮称)」の策定を検討することが重要である。
重要文化財建造物及びその周辺地域の総合防災対策のあり方[概要]〜「重要文化財建造物の総合防災対策検討会」報告〜

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