Disaster Report

国内災害レポート
最近の桜島と浅間山の火山活動

今年に入り、噴火活動が活発になってきたのが鹿児島県に位置する桜島と、群馬県・長野県にまたがる浅間山。
依然として注意が必要で、立ち入りも規制されています。

間久的に噴火を繰り返す 桜島の火山活動

 桜島は、以前からの噴火活動が継続していた南岳山頂火口に加えて、平成18年6月に、南岳の東斜面にある昭和火口でも昭和23年以来の噴火が発生し、その後現在まで間欠的に噴火を繰り返しています。今年2月には弾道を描いて飛ぶ大きな噴石が火口から2km付近に達し、4月には火砕流が火口から1.5kmまで流れ下る爆発的な噴火が発生しました(下写真)。これら2つの火口から2kmの範囲は警戒区域で立ち入りが規制されています。
 この間の火山活動に応じて、気象庁は噴火警戒レベル2または3の火口周辺警報を発表しています(4月30日現在レベル2)。
 長期的に見た桜島の活動傾向としては、国土地理院の観測により、姶良(あいら)カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマの注入によると考えられる地殻変動がとらえられており、昭和火口の活動は次第に活発化する傾向が続いていて、注意が必要です。

4月9日15時31分の桜島の爆発的噴火(鹿児島地方気象台より撮影)。噴煙の高さは火口縁上4000m以上で南西へ流れた(写真提供:鹿児島地方気象台)

小規模噴火が発生した 浅間山の火山活動

 一方、浅間山は、平成16年の中規模噴火を含む火山活動が収まって以降、静穏な状態でしたが、昨年7月から火山性地震が増加し、8月にごく小規模な噴火が発生しました。その後も火口の温度が高い状態が継続し、今年1月から地震活動が一段と活発になり、2月2日には小規模な噴火が発生しました(下写真)。この噴火では弾道を描いて飛ぶ大きな噴石が火口から1.2kmに達し、南関東でも降灰が観測されました。
 気象庁は昨年8月に火山活動の高まりに応じて噴火警戒レベルを1から2に引き上げ、また今年2月1日には中規模噴火を予想して2から3に引き上げました。2月2日の噴火後もごく小規模な噴火が時々発生していますが、中規模噴火の可能性は低くなったことから、4月7日にレベル2に引き下げました。現在も火口から2km程度の範囲に影響を及ぼす噴火には警戒が必要で、地元自治体が立ち入りを規制しています(4月30日現在)。

2月2日1時51分の噴火。北西方向のカメラによる2時8分の画像(写真提供:国土交通省利根川水系砂防事務所)
噴火警戒レベルとは

火山活動を避難等のとるべき防災対応に応じて5段階で表したもので、現在25の活火山に導入されています。各レベルに対応するキーワードは、1「平常」、2「火口周辺規制」、3「入山規制」、4「避難準備」、5「避難」です。気象庁はレベル2 〜3は「火口周辺警報」、レベル4〜5は「噴火警報」で発表し、自治体等の防災対応に活用されています。

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