Disaster Management NEWS— 防災の動き

国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)
「災害リスク軽減委員会」第1回会合がバンコクで開催

2009年3月25日から27日までの3日間、タイ王国バンコクの国連会議センターで国連アジア太平洋経済社会委員会(Economic and Social Commission for Asia and the Pacific:通称ESCAP <エスキャップ>)が主催して「災害リスク軽減委員会(the Committee on Disaster Risk Reduction)」の第1回会合が開催されました。

 「災害リスク軽減委員会」の第1回会合には、アジア・大洋州地域の25カ国及び28の国際機関より200名を超える参加があり、日本政府からは、田口尚文内閣府官房審議官(防災担当)、田尻直人内閣府災害予防担当参事官などが出席しました。

ESCAPとは

 ESCAPは、バンコクに本部を置く、国際連合の経済社会理事会の5つの地域委員会の一つで、アジア太平洋地域の経済社会開発に係る地域協力の促進を基本的使命としています。ESCAPには、西はロシア連邦から東は南太平洋諸島にいたる域内49カ国が加盟しており、域外メンバー国、準加盟地域を加えると、64カ国・地域がこれに参加しています。我が国は、国連加盟に先立つ1954年に加盟国となりました。

会議に参加する日本政府代表団
会議に参加する日本政府代表団

会議の初日

今回の会合は、2005年1月に我が国で開催された「国連世界防災会議」において採択された国際社会が今後10年に取組むべき防災に関する包括的ガイドラインである「兵庫行動枠組」のアジア・太平洋地域における実施状況や推進方策について議論を行うとともに、域内での災害リスク軽減のための地域協力の促進等について話合うことを目的として開催されました。

初日の開会挨拶で、ノエリーン・ヘイザー国連事務次長兼ESCAP事務局長は、世界各地域と比較して最も災害に見舞われる機会の多いアジア・太平洋地域の発展にとって、災害リスクの低減は極めて重要であると指摘しました。引き続き、10カ国の閣僚級及び政府高官が参加したハイレベル円卓会議において、我が国より田口尚文内閣府官房審議官(防災担当)がスピーチを行いました。田口審議官はその中で、世界でも有数の災害を受けやすい日本では、防災は内閣の最も重要な政策の一つであり、緊急対応時のみならず平常時から災害に強い国づくりを進めていること。また、我が国において現在取組んでいる災害対策の例や防災対策の重要事項を紹介し、アジア・太平洋地域における兵庫行動枠組の一層の実施を強調しました。

会場の様子
会場の様子

二日目と最終日

会議二日目と最終日は、テーマ別ディスカッションが行われ、国連ESCAPによるこれまでの防災分野の取組や今後の活動予定の紹介、「兵庫行動枠組」の推進方策について議論がなされたほか、アジア・太平洋地域における災害リスク軽減のための地域協力の促進について、情報共有、地域レベルの早期警戒と予防、宇宙等科学技術の防災面における応用などの面から意見交換がなされました。そして、「災害リスク軽減委員会」として、ESCAP事務局に対し、域内各国の防災への取組等に関する優良事例や教訓、ケーススタディー等に焦点を当てた「アジア・大洋州地域災害報告書」の作成を求めるとともに、情報共有のプラットフォームとして「アジア・太平洋地域の防災と開発に関するゲートウエイ」の設立を広く呼びかけ、会議は閉幕しました。

我が国としては、これからも、幾多の災害を経験して培った防災に関する知識や技術を活用し、兵庫県神戸市にあるアジア防災センターとも連携しつつ、アジア・大洋州各国との防災協力を積極的に推進していくこととしています。

ハイレベル円卓会議
ハイレベル円卓会議

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.