午後からは、参加者それぞれが関心の高いテーマに分かれて意見交換を行いました。
分科会(1)平時からのボランティア活動
自主防災組織との連携や災害要援護者支援の取組、災害ボランティア研修などを例に、平時の災害被害の軽減に向けた多様な活動の内容とその意義について意見交換を行いました。
意見交換の内容など
(1)福祉から防災へ。防災から福祉へ
福祉と防災は命に関わるということでつながっている。平時の福祉活動を通して防災のネットワークが広がっていき、また、防災を通して福祉の力が高まっていく。
(2)自主防災組織からつなぐ支え合い
過疎化、高齢化などで地域の「共助」の力が落ちている。自主防災組織を利用して、小地域で支え合える仕組みをつくっていくことが大事。
(3)ボランティア講座、災害ボランティアセンター運営スタッフの研修、防災教材
防災ボランティア活動に興味がある人を対象とした講座や災害ボランティアセンターの運営スタッフ研修を県内各地で実施し、市町村職員や社協職員に防災ボランティア活動を認知させていくことが大事。パパ・ママ世代は地域との関係は希薄であるが、地域の力となる世代。乳幼児目線の教材などを作ることで、防災を通して地域活動への関わりを持つことができる。
【ファシリテーター】高橋 洋(nerimasaigai.net/練馬区職員)
【コメンテーター】弘中秀治(NPO法人防災ネットワークうべ)
【話題提供】千葉ひろみ、大森眞由美(横浜栄・防災ボランティアネットワーク)佐和良佳(美馬市社会福祉協議会 事務局長)
分科会(2)地域の『受援力』とネットワークづくり
災害時のボランティア活動を円滑に受け入れるための『受援力(支援を受ける力)』を高める方策や地域内、地域間のネットワークづくりの必要性とその意義について意見交換を行いました。
意見交換の内容など
(1)『受援力』と地域防災力
知らない人にお手伝いを頼み、知らない人のお手伝いをすることはお互い不安なもの。しかし、地域外からのボランティアの力をうまく引き出すことは、被災地の復興を早めるなど、地域防災力を高めることにつながる。
(2)『受援力』を高める取組
< ・東海地震では、静岡自身が被災者になり、救援者にもなる。いざというときに、被災地自身が求めるボランティア活動が展開されるように『受援力』を高めるために図上訓練を行っている。
・輪島市門前地区では孤独死を防ぐ目的で福祉推進員を作り見守り活動を行ってきた。災害時でも要援護者の安否確認に役に立った。また、被災地外からの視察の対応を地元の人たちで行った。・避難訓練やシンポジウムを通して、難病や要支援者に対する正しい理解、平時からの災害に対する事前準備、地域のネットワーク作りなどを継続的に行うことが重要。
【ファシリテーター】村野淳子(大分県社会福祉協議会大分県ボランティア・市民活動センター専門員)
【コメンテーター】山崎水紀夫(NPO法人NPO高知市民会議理事)
【話題提供】鳥羽茂(NPO法人静岡県ボランティア協会事務局長)高出一明(輪島市門前地区民生児童委員連絡会副会長)、赤坂佳子(輪島市社会福祉協議会門前支所)、山本千恵子、三原睦子(佐賀県難病支援ネットワーク)
分科会(3) 復興に向けた被災地での取組
復興期に求められる活動、被災地外からの継続的な支援のあり方など、長期的な視野を持った防災ボランティア活動の意義について意見交換を行いました。
意見交換の内容など
(1)心と心のつながりを創る。心の復興
地域の人の表情をみて、話をする。身体を動かしてみる。同じ釜の飯を食べ、地域のお祭りに積極的に参加して、地域に溶け込む。そういうことを意識して活動をすることで、手伝ってくれてありがとう、信頼してくれてありがとうという双方が尊重しあう関係となる。
(2)一人ひとり復興は違う
同じ被災地であっても、個人個人で置かれている状況が違うので、災害に対しての受け止め方、復興の仕方に差がでてくる。仮設住宅に入った人・入らない人、家の全壊・半壊等の制度面の補助の差など、住民一人ひとり、生活支援の仕方や復興の歩み方は違ってくる。
(3)復興の主役は地元住民。地元住民の力を引き出す復興支援を
復興の主役は地元住民であり、復興していくペースを決めるのも地元。大事なことは地元が決めていくという姿勢が大事。
【ファシリテーター】栗田暢之(NPO法人レスキューストックヤード代表)
【話題提供】柴田貴史(とちぎボランティアネットワーク理事/災害ボランティアオールとちぎ隊長)三谷みはる(輪島市災害ボランティアの会代表)江見義弘(佐用町社会福祉協議会)