内閣府「防災シミュレーター」

 前号で内閣府「震度6強体験シミュレーション」をご紹介しましたが、それは内閣府の「防災シミュレーター」のシステムの1つです。ほかにも多くの役に立つシステムがあります。今回はそれらを見てみましょう。

 内閣府が作成している「防災シミュレーター」には、前号で紹介した「震度6強体験シミュレーション」以外にも、「我が部屋チェック」「揺れ方シミュレーション」「想定シナリオ」「各自治体防災情報HP一覧」という防災に役立つシステムがある。それぞれについて見ていく。

我が部屋チェック

 利用者の家の中の特定の部屋について、地震発生時の「危険な場所」を確認するためのページ。
 それぞれの部屋に応じた危険度をきめ細かく判定するため、各自の部屋の情報を入力する。「部屋の広さは?」(4.5畳から12畳)、「和室か洋室か?」。そこまで簡単に設定して、いよいよ肝心な家具の配置を行う。一見、家具はたくさんあるので配置が面倒だと思うかもしれないが、とても容易に作られている。たとえばタンスを例にとっても、サイズ、向きは適当なものを選べるし、固定状況に至っては、突っ張り棒、壁との固定、耐震ゲルマットの有無まで選べる。
 この作業をすることで、思った以上に家具の固定をしてないことに気付き、少し反省するとともに、自分の部屋には一体どんな危険があるのだろう。ちょっとどきどきしてきた。
 そして最後に、「危険な場所を表示する」ボタンを押すと、瞬時に危険な箇所が表示される。地震時は、固定をしていないテレビが危険なことがはっきりした。うすうす感じてはいたが、ここまで視覚に訴えられるとまったく違う。
 よく見ると、突っ張り棒、壁との固定、耐震ゲルマットの有無や飛散防止フィルムの有無によって、危険度が変わってくるというきめ細かさには脱帽だった。

揺れ方シミュレーション

 家の模型を使った、地震発生時の室内の「揺れ方」を擬似体験するためのページ。「木造住宅」と「鉄筋・高層マンション」の別、「直下型地震」と「長周期地震」の別、「洋室」と「和室」の別を選択して、利用者の住まいの状況に近い条件での揺れ方を体験。
 このシミュレーションでは、縮小模型を地震台で揺らした映像を見ることになる。実際に体験してみると、映像だけではなく、「音」も出るので、かなりの程度、地震災害の疑似体験ができる。また、直下型地震に加え、長周期地震の揺れ方の映像もある。このように比較してみると、揺れ方の違いがよくわかる。

想定シナリオ

 利用者がそれぞれの事情に応じた「想定シナリオ」を考えていただくための参考となる「想定シナリオ例」を提示。
 地震はいつどこで起きるかわからず、季節、時間、場所、天気、家族構成、地震の大きさなどの組み合わせにより、実際に起こりうるシナリオはさまざま。この例を参照することを通じ、災害発生時、本人や家族が見舞われる状況をイメージしやすくして、必要な備えをしていただくことを目的とするもの。
 想定シナリオ例を読んだ後、自分と家族に照らして考えてみた。家族との連絡方法をどうするか、携帯電話は通じるのかなど、あらかじめ話し合うことは多い。良い機会だから、この週末にでも家族みんなで話し合ってみよう。

各自治体防災情報HP一覧

 都道府県ごとに設けている防災に関するホームページを一覧の形にし、利用者がそれぞれの住まいの周辺に関する防災情報にすぐにアクセスできるようにしたもの。
 早速、自分の家がある「神奈川県」の情報を見てみたが、防災・災害情報、災害対策マップ、ゆれやすさマップなど、必要な情報に簡単にアクセスすることができた。田舎の両親にも知らせようと思う。
 前号と合わせ、内閣府の防災のシミュレーターをご紹介しました。いずれも、インターネットの環境さえあれば、いつでもどこでも気軽に災害の疑似体験ができ、防災の知識を得ることができるものです。まずは、体験してみてください。
 あなたとあなたの家族の安心・安全のために、きっと役立つことがあるはずです。

「防災シミュレーター」は、災害被害を軽減する国民運動に資するためのシステムとして、名古屋大学福和伸夫教授、東京大学目黒公郎教授の監修により、内閣府政策統括官(防災)において制作。「防災シミュレーター」は、インターネットで「震度6強体験」で検索。 https://www.bousai.go.jp//kyoiku/simulator/index.html
 詳細は、内閣府政策統括官(防災)災害予防担当「防災シミュレーター担当」まで(TEL 03-3501 -6996)。

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

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