Disaster Management NEWS— 防災の動き

Conference
『アジア防災会議 2008』

2008年11月12日〜14日、インドネシア共和国のバリ島にて、『アジア防災会議2008』が開催され、日本政府からは、並木正芳内閣府大臣政務官や田尻直人内閣府災害予防担当参事官などが出席しました。

 「アジア防災会議2008」は、わが国とホスト国のインドネシア共和国をはじめ、アジア防災センター、国連国際防災戦略事務局(UN/ISDR)が主催し、アジア地域を中心に合計24カ国及び14の機関・国際機関他から関係者106名が参加し、11月12日〜14日の3日間バリ島にて開催されました。本会議は、2005年1月に兵庫県神戸市で開催された国連防災世界会議において2015年までの各国の防災施策の指針として採択された「兵庫行動枠組(HFA)」の推進とフォローアップを目的として開催されたものです。アジア防災センターメンバー国の防災担当実務者が一堂に会し、各国におけるこれまでのHFAの取組状況の報告と、今後の実施方策について熱心な議論が繰り広げられました。また、今年はアジア防災センターが設立10周年を迎えるにあたり、これまでの同センターの活動成果の報告と、今後の方向性についての検討もなされました。
 会議の初日は、インドネシア共和国のクスマヤント・カディマン研究・技術担当国務大臣の開会挨拶に続いて日本の並木正芳内閣府大臣政務官より主催者挨拶がありました。並木政務官はその中で、日本では防災は内閣の最も重要な政策の一つであり、緊急対応時のみならず平常時から災害に強い国づくりを進めていること、各国は国際機関の枠組みなども活用して情報やノウハウを共有しつつ効果的に防災能力を向上させることが重要であることなどを述べました。その後、アジア防災センターの鈴木所長による基調講演が行われ、「兵庫行動枠組」の5つの優先すべき行動、例えば防災教育プロジェクトやGLIDE、IRP活動の支援などにおいて、同センターが具体的な形でアジア各国の支援を展開していることが述べられました。
 会議1日目の午後は、最近の巨大災害報告として、本年5月に発生しミャンマー南西部のエーヤワディ管区を中心に甚大な被害をもたらしたサイクロン「ナルギス」と、同月12日に発生した中国四川省大地震について、それぞれミャンマー社会福祉省ミン・テイン課長及び中国清華大学袁計画設計院副院長から報告がなされました。
 会議2日目および3日目には「兵庫行動枠組」のフォローアップとして、アジア防災センター各メンバー国の実施状況の報告及び今後の推進に役立つアイデアや手法についての意見交換が行われ、また各テーマに沿ったパネルディスカッションにおいて、パネリストと会場との間で活発な議論が展開されました。我が国からは、河内紳吾国際防災協力専門官より、日本における防災の取組について最新の事例を交えながら発表し、各国の参加者からぜひ日本の取組を手本としていきたいとの声があがりました。
 今会議により、国レベル、地域レベルにおける「兵庫行動枠組」の実施に着実な進捗が確認された一方で、災害に強い国・コミュニティの創造という「兵庫行動枠組」の目標をさらに確実に実現するには、制度基盤の拡充、応急対応のための事前準備の一層の強化などの取組が重要との会議サマリーが取りまとめられ、アジア防災センターの鈴木所長から発表されました。その後、インドネシア共和国のスゲン・トリウトモ国家防災庁第一局長より閉会のあいさつが行われ3日間の会議は成功裡に幕を閉じました。

並木内閣府大臣政務官による主催者挨拶

会議の様子

アジア防災会議2008の参加者

インドネシアのカディマン大臣と会談
今会議の開催に先立ち、12日の午前、主催国である我が国の並木内閣府大臣政務官、インドネシア共和国のクスマヤント・カディマン研究・技術担当国務大臣との間で会談が行われました。本会談ではカディマン大臣から、2004年のインド洋津波災害の経験を踏まえインドネシア政府が整備し、11月11日に運用を開始した津波早期警戒システムについて、本システム運用に至るまでの我が国の支援に対して感謝が示され、さらに両国における防災の取組や予防文化の普及啓発等についての意見交換が行われました。

カディマン大臣と並木内閣府大臣政務官の会談


所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.