Flood 
 荒川の洪水氾濫時の死者数・孤立者数等の公表について
  被害想定結果(荒川)
【浸水継続時間】 
  200年に1度の発生確率の洪水により、埼玉県川口市河原町地先で堤防が決壊した場合、 
 (a) 排水施設が稼動しないケース 
 堤防決壊から1日(24時間)後に約116万人の居住地域(約130km2)が浸水し、1週間後には約95万人の移住地域(約100km2)まで縮小しますが、その後も浸水が継続します。 
 (b) 排水施設が全て稼動するケース 
 堤防決壊から1日(24時間)後に約106万人の居住地域(約120km2)が浸水し、浸水地域の排水が完了するまでに約5日かかります。 
【死者数】 
 (堤防決壊地点別の比較) 
  200年に1度の発生確率の洪水による死者数は、東京都墨田区墨田地先で堤防が決壊した場合に最大。この場合において、避難率が40%(注1)の時には、 
 (a) 排水施設が稼動しないケース 
 死者数は約2100人。 
 (b) 排水施設が全て稼動するケース 
 死者数は約500人。 
(洪水規模が大きくなった場合の影響) 
  東京都墨田区墨田地先で堤防が決壊し、200年に1度の発生確率の洪水量(注2)の3割増の洪水量(約1000年に1度の発生確率)(注3)になった場合の死者数は、避難率が40%の時には、 
 (a) 排水施設が稼動しないケース 
 浸水面積、浸水区域内人口ともに1.1倍になりますが、死者数は約2100人から約4500人へと2.1倍になります。 
 (b) 排水施設が全て稼動するケース 
 浸水面積は1.3倍、浸水区域内人口は1.4倍になりますが、死者数は約500人から約1100人へと2.2倍になります。 
【孤立者数】 
  200年に1度の発生確率の洪水により、東京都北区志茂地先で堤防が決壊し、警察、消防、自衛隊が関東地方に有する全てのボート数に相当するボートを用いて救助活動を実施(注4)した場合、避難率が40%の時には 
 (a) 排水施設が稼動しないケース 
 孤立者は堤防の決壊から1日(24時間)後に約51万人となりますが、7日後に救助を完了。 
 (b) 排水施設が全て稼動するケース 
 孤立者は堤防の決壊から1日(24時間)後に約49万人となりますが、4日後に救助を完了。 
被害想定結果(利根川)
【死者数】 
  群馬県千代田町舞木地先で堤防が決壊し、200年に1度の発生確率の洪水量(注5)の2割増の洪水量(約1000年に1度の発生確率)(注6)になった場合の死者数は、避難率が40%の時には、 
 (a) 排水施設が稼動しないケース 
 浸水面積、浸水区域内人口ともに1.1倍になりますが、死者数は約3700人から約11000人へと3.0倍になります。 
 (b) 排水施設が全て稼動するケース 
 浸水面積、浸水区域内人口ともに1.1倍になりますが、死者数は約3100人から約9000人へと2.9倍になります。 
【おわりに】 
  今後、大規模水害発生時のライフラインの支障等の想定を実施するとともに、被害を軽減させるため、避難率の向上策や広域避難体制、孤立者の救助体制等の検討を行う予定です。詳細は、下記のURLからご覧ください。 
https://www.bousai.go.jp//kaigirep/chuobou/senmon/daikibosuigai/index.html 

- 注1:
 - 避難率40%の数値を取り上げたことは、その数値がどこでも代表的であることを意味するものではなく、避難率は、水害の切迫性を伝える各種情報の内容や提供時期、避難勧告等の時期や伝達、洪水ハザードマップの整備や避難訓練の実施等の普段からの備えの状況等によっても大きく変動しうる。
 - 注2:
 - 流域平均雨量約550mm/3日、洪水流量約140003m/s(岩淵水門(上)水位観測所)
 - 注3:
 - 流域平均雨量約680mm/3日、洪水流量約180003m/s(岩淵水門(上)水位観測所)
 - 注4:
 - 約1900艇のボートにより、1日あたり12時間救助活動を実施
 - 注5:
 - 流域平均雨量約320mm/3日、洪水流量約220003m/s(伊勢崎市八斗島観測所)
 - 注6:
 - 流域平均雨量約390mm/3日、洪水流量約260003m/s
 
