特集 地域の力でまちを守る みんなでつくる安全な暮らし

社員も地域の一員 社員の「キモチ」を会社が支援 地域の「チカラ」に
●トヨタボランティアセンター(愛知県豊田市)

明るく楽しく安心して活動できる環境が大切

 社員だけでなく、家族やOB・OGも参加しているのが、トヨタボランティアセンター。会社が意識調査をしたところ、多くの社員がボランティアをしたい、と回答。それを受けて平成5年に設立され、環境や防災活動などを通して地域との交流を深めている。平常時には、災害時要援護者を対象に、家具転倒防止対策を実施。民生委員の意見やハザードマップを参考に、多数の被害が想定される地域から訪問し、これまでに約200軒を終了。ミニチュアを使った家具転倒防止の防災出前講座も行い、一緒に活動してくれる地域の人も育てている。
 災害に対しては、トヨタグループ災害ボランティアネット(Vネット)を発足。災害に役立つ業務や個人の特技などを登録。年に数回、被災地の自立復興支援や被災者の心情を理解する研修を重ねながら、市と避難所提携しているトヨタスポーツセンターで、1泊2日の「災害ボランティア体験」も毎年開催している。
「個人の自主性を尊重して、明るく、楽しく、安心して活動できる環境づくりを進めていることが、活動を続けるポイントだと思います」と、センターの鈴木盈宏(みつひろ)さん。平成16年の福井豪雨で家屋内の土砂の搬出をしたときには、30分活動して10分休憩というサイクルを守り、連日の猛暑の中でも参加者の体調を維持した。新潟県中越地震では、被災者の声を受け止め、心情に配慮しながら家財道具の片付けなどを行った。
「企業というより一人の人間として関わってきた結果、地域の信頼を得ることができました。今後は、産官学民や企業と企業など、いろいろなコラボレーションをし、それぞれの強みを生かした展開をしたいですね」

左上/災害ボランティア体験では、人命救助をはじめ多数のプログラムを用意
右上/家具転倒防止対策。自分たちの活動以外に、固定方法の指導も行っている
左/災害時要援護者の避難サポート体験から助け合いの大切さを学ぶ(写真提供:すべてトヨタボランティアセンター)

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内閣府政策統括官(防災担当)

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