特集 地域の力でまちを守る みんなでつくる安全な暮らし

学校復興支援 災害時に避難所となった学校の教育復興を支援する
●震災・学校支援チーム(EARTH)(兵庫県)

「学校」が得た阪神・淡路大震災の経験を語り継ぐ

 阪神・淡路大震災では、地震直後から兵庫県内の被災地の多くの学校が避難所となり、教職員が児童生徒の安否確認を行うとともに、交替で避難所となった学校に泊り込み、24時間体制で避難所運営に尽力した。そうしたなか、被災地の学校では、兵庫県内外から延べ8000人にも及ぶ教育関係者の支援を受けた。
 こういった全国からの支援に報いるため、兵庫県教育委員会は平成12年4月、災害により避難所となった学校の復興支援活動にあたる教職員組織として、震災・学校支援チーム(EARTH)を発足した。EARTHは、防災教育に係る専門的な研修を受けた教職員とカウンセラー約150名で構成され、心のケア班、学校教育班、避難所運営班、学校給食班、研究・企画班の5班編成で活動を行う。
 県内外においての災害発生時に、その要請に基づいてEARTH員を派遣し、被災した学校において、学校教育応急対策と教育活動の早期再開、児童生徒の心のケア、学校における避難所運営支援を主な内容として復興支援活動にあたる。これまで、鳥取県西部地震、台風23号、新潟県中越地震等、国外では、スマトラ島沖地震で大きな津波被害を受けたインドネシア、スリランカなどで支援活動を行った。
 EARTHでは、「震災の経験や教訓」が風化しないよう、語り継ぐことを課題とし、被災時に、学校や教職員が行うことができる子どもたちへの心のケアや学校での避難所運営のノウハウなどをまとめた「EARTHハンドブック」※を作成、全国に配布し、ホームページにおいて公開。また、研修会で講師をする際の指導内容の資料を集めた「災害を語り継ぐ素材集」を作成しEARTH員が震災の記憶や教訓を語り継げる体制の整備を図っている。

スリランカの教育省の要請を受け、スマトラ島沖地震によるインド洋大津波の影響でトラウマに苦しむ子どもたちの心のケアのため、ノウハウを持つEARTHが派遣された

絵本などを使った防災教育。命の大切さや助け合いの心について教えている

平時は、防災教育にかかわる研修会や防災訓練等において指導助言を行う(写真提供:すべて震災・学校支援チーム EARTH)

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.