特集 地域の力でまちを守る みんなでつくる安全な暮らし

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地域の防災1 地域一斉雪下ろしで雪処理に係る事故を防ぐ
●宮沢地区安全な雪下ろし実行委員会(山形県尾花沢市)

地域の助け合いで安全な除雪体制をつくる

 山形県尾花沢市は、越後高田、飛騨高山と並んで「日本三雪」と称される豪雪地帯。平成18年の豪雪では、最大積雪深195センチ、人的被害は、重傷者7人、軽傷者9人の合計16人。そのうち11人が屋根の雪下ろしによる転落事故であった。
 平成20年度は例年になく少雪だったが、それでも屋根からの転落事故で2人の重傷者が発生した。
 無理をせず、地域の助け合いで安全な除雪体制の継続を目指すため、尾花沢市の宮沢地区公民館を中心に活動している自治会(区長会)と各団体(雪プロジェクト・翁塾・市民雪研究会)が、3回の検討会議を重ねて実行委員会を結成。2月15日、約60名が参加する、「宮沢地区安全な雪下ろし実証実験」が行われた。
 あいさつとして、石山実行委員長から、「全国で雪害による多くの犠牲者があります。集落内の共助と地域の英知で犠牲者ゼロを目指します」との宣言があった。
 また、高齢者など、在宅の要介護者に対する雪下ろしは、「尾花沢市福祉ネットワークづくり活動」が行っている。自治会長や民生委員を中心に、(A) 日常的な見回りと安否確認のための訪問活動、(B) 玄関先の雪払い、道つけ、家事の援助、(C) 雪下ろし、軒下の除雪という、3タイプの支援をしている。
 実験終了後、雪と一緒に屋根から落下した時の失敗談や除雪機運転操作の危険性などについて発表があった。また、全国の雪害による被災者の事例報告を受け、雪害は個人の責任として捉えるのでなく今回の実験を通じて、社会全体の課題として地域活動を継続していく必要性を確認した。

雪下ろしの作業を始める前に、安全ベルトとロープを使った命綱をつけることを地域で再確認した

地域の人が、「一斉雪片づけ」の日をひと目で確認できるよう、目立つ場所に赤色のノボリを5本立てる

「宮沢地区安全な雪下ろし実証実験」で行った安全対策

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内閣府政策統括官(防災担当)

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