シリーズ 一日前プロジェクト(第7回)

もし、1日前に戻れたら…
私たち(被災者)から皆さんに伝えたいこと

地震、津波、風水害……さまざまな災害を実際に体験した方に、「もし、一日前に戻れたら何をしますか?」と訊ねたのが、「一日前プロジェクト」。被災者の声は、私たちにいろいろなことを教えてくれます。今月のテーマは『宮城県北部地震(平成15年7月26日)その2』です。

一回目よりも大きい余震がきた 〜山から岩が追いかけてきた〜(宮城郡 50代 男性 行政職員)

 夜中の地震の大きさにびっくりして、すぐに役場に行って被害調査に出てはみたけれど、実際には暗くてよく見えないんですよね。それで、翌朝、私ともう一人で、山の上まで被害調査に行きました。
 1回目よりも大きい地震が来るとは思ってもいなかったので、ガケの近くに車を置いて作業をしていたら、朝方の2回目の地震がきました。
 とにかく目で見てわかるほど山が揺れているんです。で、逃げたんですけれども、山から岩が流れてくるような感じで追いかけてきました。てっきり車もダメになっているだろうと思いながら戻ってみると、運良く無事でしたので、急いで役場に戻りました。
 調査とはいえ、そういう危険な場所では十分注意する必要があるなと思いました。

一回目よりも大きい余震がきた 〜山から岩が追いかけてきた〜

地震直後の避難は危険がいっぱい 〜間一髪ヘルメットで命びろい〜(東松島市 30代 男性)

 今回の地震でも家の裏のガケが崩れたりして大変でしたが、私は小学5年生のころに、昭和53年(1978年)の宮城県沖地震を体験しているんです。
 あのときは、大きな地震が起きて、先生がとにかく早く家に帰れというので、友達数人と一緒に自転車で下校したわけですが、途中の山道で、上の方から小石がパラパラと落ちてきて、かぶっていたヘルメットにあたったのです。
 で、直感的に危ないと思って、ありったけの力で自転車をこいでその場を通り過ぎました。後ろを振り返ると、くずれてきた土砂で道がふさがっていました。まさに間一髪でした。
 先生が、「早く帰るように言って悪かったな」って言っていたのを今でも覚えています。

地震直後の避難は危険がいっぱい 〜間一髪ヘルメットで命びろい〜

お年寄りの寝ている場所までわかります 〜いざというときの決まりもつくる〜(東松島市 60代 女性)

 淡路の旧北淡町、あそこが震災のときにすぐに町中の安否確認ができたということが、いつも頭から離れないのです。すばらしいことだなと。
 あの当時、ここのうちのおばあちゃんはどの部屋に寝ているとか、この人はこの辺に寝ているとかって全部わかっていて、そこを目がけて捜したから、すぐに助け出すことができたというのをテレビで見ました。
 で、地震のあった年に立ち上げた私たちの自主防災会でも、ひとり暮らしのおばあさんがだいたいどの辺に寝ているかということを、役員さんは本人から聞いて把握しています。今はプライバシーの問題があるから、みんなには公表していませんけれどね。
 それに、災害直後に役員さんが見回りをした時に鍵がかかっている場合には、とにかく助けなくちゃならないからということで、ガラスは壊しちゃってもいいということになっています。

お年寄りの寝ている場所までわかります 〜いざというときの決まりもつくる〜

https://www.bousai.go.jp/km/imp/

被災者の実体験を聞くことができる『一日前プロジェクト』は上記HPでも見ることができます。家庭はもちろん、地域や職場など、さまざまな話が掲載されていますので、企業の「社内報」や地域での「広報」に幅広く活用してください。


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