3-3 事前防災における企業の持つ技術・サービスへの期待
災害による被害を最小限に抑えるためには、発災後の対応力強化に加え、被害そのものを減らす「事前防災」への取組が極めて重要である。特に近年、デジタル技術や新たなサービスの進展により、災害リスクの把握、被害予測、初動対応の高度化など、事前防災の可能性は大きく広がっている。
企業は、防災・減災に資する多様な技術・サービスを有しており、その活用が強く期待されている。例えば、IoTやセンサー技術を活用した設備監視、AIによる被害予測、クラウドを用いた情報共有、ドローンやロボットによる被災状況把握などは、従来の防災対策を補完・高度化するものとして注目されている。これらの技術を平時から導入・活用することは、災害時の迅速な判断・対応につながる。
また、事前防災への投資は、単なるコストではなく、中長期的には被害軽減や復旧期間の短縮を通じて、社会全体の損失を抑制する効果を持つ。企業にとっても、自社の事業継続性向上や新たな市場創出につながる可能性があり、防災分野は成長分野としての側面も有している。
内閣府では、防災に関するニーズを有する自治体・民間企業と、技術・サービスを持つ民間企業をつなぐ「防災×テクノロジー官民連携プラットフォーム」(防テクPF)事業に取り組んでいる(図表3-3-1)。本事業を通じて、自治体の現場課題を踏まえた実証やマッチングを促進し、優れた技術・サービスの社会実装を後押ししている。
大規模地震災害に備えるためには、官と民がそれぞれの強みを持ち寄り、事前防災への投資・取組を継続的に進めていくことが不可欠であり、企業の技術・サービスが適切に活用される環境を整えることは、災害に強い社会の実現に向けて重要である。

