1-2 基本計画の特徴
基本計画においては、各大規模地震対策の推進に関する基本的な方針を示した上で、10年間で達成すべき人的被害や物的被害に関する減災目標と、その達成に向けた各種施策に係る具体目標(指標)や定性的な目標が掲げられており、国は、これら目標の進捗について定期的かつ継続的な把握に努めている。なお、具体目標など国土強靱化に関する部分は、「国土強靱化基本計画」(令和5年7月28日閣議決定)や「第1次国土強靱化実施中期計画」(令和7年6月6日閣議決定)等を踏まえ作成されている。
また、千島海溝地震、日本海溝地震や南海トラフ地震においては、「広域にわたり強い揺れと巨大な津波が発生し、そのうえ津波の到達時間が極めて短い地域が存在する」、「時間差をおいて複数の大規模地震が発生する可能性がある」、「大都市や離島・半島、孤立可能性地域、積雪寒冷地(積雪や凍結等による避難の遅れや低体温症のリスク等)等の地理的特性による課題がある」などの特徴から、被災の範囲が広域にわたり、これまで経験したことのない甚大な被害が想定されている。一方、首都直下地震においては、「首都中枢機能の障害による影響」及び「巨大過密都市を襲う膨大な被害」が想定されている。
これらの被害の特徴を踏まえ、基本計画においては、従来の地震・津波対策の延長では対応が困難となる場合も考慮し、「行政が守る者、国民が守られる者」という考え方から、「行政・地域・事業者・国民が共に災害に立ち向かう」という意識を国民一人一人が持つことの重要性が示されるとともに、国、地方公共団体、事業者、NPO、ボランティア等の多様な主体が連携し総力を結集して、ハード・ソフト両面から、被害を未然に防ぐための予防対策、円滑かつ迅速な応急対策の備え及び迅速な復興・より良い復興への備えに取り組む、といった基本的方針が示されている。このほか、国民の生命を守り抜くためには、地震や津波、火災による直接死を減らすとともに、直接死を免れた被災者の命を災害関連死から守るための避難者の生活環境整備等の支援や、首都中枢機能への被害など国内外の社会・経済に及ぼす影響への対応も重要としている。


