2-3 防災対策と被害軽減に向けた取組
被害の軽減には、人的被害の主要因となり、火災延焼、避難者の発生、救助活動の妨げなど被害拡大の要因となる建物被害を軽減することが重要であり、国、地方公共団体、所有者が一体となって建物の耐震化を一層推進することが、あらゆる対策の前提となる。
火災対策としては、老朽建築物の除却・建替え、建物の不燃化、避難路・避難地となる街路・公園等の公共施設整備といったハード対策に加え、感震ブレーカーの普及促進や初期消火機材の配置など、地域の特性・事情に応じたソフト対策も重要である。
また、電気・水道・ガスを始めとするライフラインについては、災害時の救命・救助、医療救護及び消火活動等の応急対策活動や首都中枢機能の確保に当たって重要であるため、首都直下地震の発生時にこれらが寸断されることがないよう、引き続き耐震化や液状化の対策等を進めることに加え、冗長性・代替性の強化に取り組む必要がある。さらに、道路、鉄道、空港、港湾等の交通インフラについても、災害時の応急活動、首都中枢機能の確保及び流通・物流を始めとする経済活動を進める上で重要であることから、施設の耐震化及び老朽化対策の取組を推進する必要がある。
これらの防災対策を徹底することにより、被害を大幅に軽減できることが示唆されており、例えば、建物の耐震化率が100%になると、全壊棟数を9割程度減少させ、感震ブレーカー等の普及率が100%になると、焼失棟数を7割程度減少させることが可能とされている(図表2-3-1)。
このため、首都中枢機能を維持し、膨大な人的・物的被害を減らすためには、私たち一人一人が「自分ごと」として捉え、共に立ち向かっていくことが求められる。

