2-2 被害想定
東京圏及びその周辺地域には、人口約4,660万名、建物約1,530万棟が密集していることから、首都直下地震が起こると、木造家屋が多数倒壊したり、木造住宅密集市街地が広域的に連なっている地区を中心に大規模な延焼火災が発生したりすることなどにより、多くの人的被害が発生するおそれがある。
また、東京圏には、政治・行政・経済の中枢機能が高度に集積していることから、これらに障害が生じた場合には、我が国全体にわたって国民生活や経済活動に影響が生じるほか、海外にも波及するおそれがある。政府機関等の業務継続に支障が生じると、情報の収集・分析が円滑に行われないことによる災害対応の遅延や、政府の緊急災害対策本部等からの指示や調整等が円滑に実施されないこと等による消火・救急救命活動や復旧への影響が懸念される。さらに、経済面では、東京圏には、資金決済機能や株式・債券の決済機能等に係る中枢機能に加え、大企業の本社等の拠点が集中しているほか、生産規模の小さな中小企業やオンリーワン企業も数多く存在していることから、経済活動が停滞し、我が国全体の経済に重大な影響を及ぼすおそれがある。
特に首都中枢機能に大きな影響を及ぼすおそれのある「都心南部直下地震」が発生した場合、死者数は最大で約1.8万名、全壊・焼失棟数は最大で約40万棟、経済的な被害は約83兆円に上ると推計されている(図表2-2-1及び図表2-2-2)。
ライフラインや交通施設についても、地震動等によって被害を受けることで機能が停止したり制限されたりするおそれがある。また、電力供給力の低下が1か月程度続くことで、電力に依存する通信、上下水道、鉄道等も影響を受けるおそれがある(図表2-2-3)。



