令和8年版 防災白書|第1部 第1章 第4節 4-2 二国間等防災協力


4-2 二国間等防災協力

内閣府は国際機関を通じた取組に加え、海外からの防災を担当する閣僚級の訪問等の機会を通じて、防災政策の経験を共有するなど、世界各国の政府における防災担当部局との連携を深めている。

(1)日ASEAN防災閣僚級会合の開催を通じたASEANとの連携

「日ASEAN防災閣僚級会合」は日本とASEAN間の防災協力を一層強化するため、日本政府(内閣府)とASEAN加盟10か国の防災担当部局により、令和3年10月に発足した。

令和7年10月16日に「第5回日ASEAN防災閣僚級会合」がカンボジア王国プノンペンにおいて開催され、鎌原内閣審議官(防災担当)が共同議長として出席した。同会合においては、令和4年に策定された「日ASEAN防災行動計画2021-2025」の進捗状況を確認するとともに、次期の「日ASEAN防災行動計画2026-2030」の策定方針について検討が行われた。あわせて、日本政府として、今後の日ASEAN防災協力に係る取組の展望を共有した。

ASEAN防災閣僚級会合の様子
日ASEAN防災閣僚級会合の様子
(2)G20防災作業部会を通じたG20各国との連携

令和5年にG20議長国インドにより、G20防災作業部会の設置が提起され、防災を取り巻く課題について国際社会が取り組むべき方針を取りまとめた議長声明が発表された。また、同作業部会において、今後のアジェンダ及び作成すべき成果物等について確認が行われた。「G20防災閣僚級会合」は、G20防災閣僚宣言の合意形成及びその発表を目的として、令和6年にG20議長国ブラジルにより初めて提起されたものであり、令和7年には南アフリカ共和国ケープタウンにおいて開催され、G20防災閣僚宣言が発表された。さらに、G20南アフリカ・サミット首脳宣言においても、防災の重要性及び国際社会による取組を推進する必要性が確認された。

(3)内閣府と米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)との連携

米国連邦緊急事態管理庁(FEMAFederal Emergency Management Agency)とは、平成26年12月に締結された協力覚書に基づき、国際会議やウェブ会議等を通じて情報共有や意見交換を実施している。

(4)日韓防災会議の開催を通じた日韓の連携

平成10年10月の日韓首脳会談の際に取り交わされた「21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップのための行動計画」に基づき、平成11年から毎年持ち回りで日韓防災会議を開催している。令和8年の会議は、1月8日に大韓民国済州(チェジュ)島において開催された。同会議には、貫名内閣府大臣官房審議官(防災担当)が出席し、日本からは、大規模地震対策や防災庁設置に向けた基本的方向性等について説明を行った。一方、韓国からは、災害及び安全管理におけるドローンの利活用や、災害時におけるシェルター運営等の取組について紹介があった。また、同日には、済州島に所在するドローン管制センター及びドローン演習場等の視察を行った。

日韓防災会議の様子
日韓防災会議の様子
(5)防災技術の海外展開に向けた官民連絡会(JIPAD)の活動

「防災技術の海外展開に向けた官民連絡会(JIPADJapan International Public-Private Association for Disaster Risk Reduction)」は、我が国が強みを有する防災技術やノウハウを、官民が一体となり積極的に海外展開していくことを目的に令和元年に設立されたものであり、令和8年3月時点で215企業・団体が会員となっている。

JIPADでは、我が国の防災政策・技術・ノウハウを一体的に紹介するとともに、官民ネットワークを構築し、防災協力関係を強化する官民防災セミナー等を開催している。

令和6年10月には「第10回アジア太平洋防災閣僚級会議」のパートナーイベントとして、フィリピン・マニラ市にて、UNDRRや独立行政法人国際協力機構(JICAJapan International Cooperation Agency)と連携し官民防災セミナーを開催した。同セミナーでは、地震計規格や耐震化といった大地震への備えをテーマとし、日本企業2社を含む民間企業が自社の防災技術や防災の取組を紹介した。パネルディスカッションでは、内閣府、国内外の民間企業や非営利団体等により、災害対策における官民それぞれの役割や取組実績、多様な主体の連携の重要性等が議論された。また、同会議の会場には、展示ブースエリアが設けられており、内閣府はJIPAD会員企業の協力のもとJICAとの共同ブースを出展し、日本の防災技術や知見を紹介する展示を行った。

官民防災セミナー・展示ブースの様子
官民防災セミナー・展示ブースの様子

その他にも、海外から防災行政幹部や担当官が訪日する機会を捉え、令和7年3月にはカリブの防災関連機関を対象に、官民防災セミナーを開催した。内閣府から日本の災害対策の知見を紹介するとともに、JIPAD会員企業がプレゼンテーションを行い、その後参加者との意見交換を実施した。


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