第4節 令和5年台風第13号による災害
(1)概要
令和5年9月5日に日本の南で発生した台風第13号は、7日にかけて日本の南を北上し、8日には東海道沖へ進んで熱帯低気圧に変わった。台風の北上に伴い、南から暖かく湿った空気が流入して、台風の中心から離れた場所で雨雲が発達し、8日から9日にかけて関東甲信地方や東北地方の太平洋側では大雨となった。
東京都(伊豆諸島)、千葉県、茨城県及び福島県では線状降水帯が発生し、1時間に80mm以上の猛烈な雨が降った所があった。これらの地域では1時間降水量が観測史上1位の値を更新した地点があったほか、7日から9日にかけての総降水量が400mmを超えた地点や平年の9月の月降水量を超えた地点もあった。
(2)被害状況
令和5年台風第13号により、福島県、茨城県及び千葉県において、県管理の40河川で氾濫し、浸水被害が発生した。人的被害は、死者が3名(福島県1名、茨城県2名)、軽傷者が21名となった。住家被害は、全壊が19棟、半壊・一部破損が2,257棟、床上・床下浸水が4,125棟となった(消防庁情報、令和6年3月6日現在)。また、水道については最大断水戸数176戸、電力については東京電力及び中部電力管内で、最大停電戸数が約10,000戸に及ぶなど、ライフラインにも被害が発生したほか、鉄道においては路盤流出などの被害が発生した。
(3)政府の対応
政府は、令和5年9月7日15時に官邸に情報連絡室を設置し、関係省庁災害警戒会議を開催した。また、9月20日には松村内閣府特命担当大臣(防災)が福島県と茨城県、9月27日には千葉県の被災現場を視察した。
「災害救助法」については、3県13市町に適用、「被災者生活再建支援法」については、3県5市町に適用された。
激甚災害の指定については、令和5年9月4日から同月9日までの間の豪雨及び暴風雨による千葉県夷隅郡大多喜町等の区域に係る災害として、令和5年11月7日に指定政令の閣議決定を行った。