第4節 令和5年度原子力総合防災訓練
4-1 実施概要
(1)位置付け及び目的
原子力総合防災訓練は、原子力災害発生時の対応体制を検証すること等を目的として、「原子力災害対策特別措置法」に基づき、原子力緊急事態を想定し、国、地方公共団体、原子力事業者等が合同で実施する訓練であり、令和5年度原子力総合防災訓練は以下を目的として実施した。
(参照:https://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/kunren/kunren.html)

- 国、地方公共団体及び原子力事業者における防災体制や関係機関における協力体制の実効性の確認
- 原子力緊急事態における中央と現地の体制やマニュアルに定められた手順の確認
- 地域防災計画等の検証及び緊急時対応等の検討
- 訓練結果を踏まえた教訓事項の抽出、緊急時対応等の検討
- 原子力災害対策に係る要員の技能の習熟及び原子力防災に関する住民理解の促進
(2)実施時期及び対象となる発電所
柏崎刈羽発電所を対象として、令和5年10月27日から29日に実施した(図表4-1-1)。
図表4-1-1 柏崎刈羽地域の原子力災害対策重点地域
(3)参加機関等
- 政府機関:内閣官房、内閣府、原子力規制委員会ほか関係省庁
- 地方公共団体:新潟県、柏崎市、刈羽村、長岡市、小千谷市、十日町市、見附市、燕市、上越市、出雲崎町 ほか
- 事業者:東京電力ホールディングス株式会社
- 関係機関:量子科学技術研究開発機構、日本原子力研究開発機構 等
(4)事故想定
新潟県上中越沖を震源とした地震が発生する。これにより、運転中の柏崎刈羽発電所7号機は緊急停止する。さらには、設備の故障が重なり、原子炉注水機能を喪失する事象が発生し、施設敷地緊急事態、全面緊急事態に至る。
(5)訓練内容
訓練目的を踏まえ、事態の進展に応じて、初動対応に係る訓練から全面緊急事態を受けた実動訓練まで、次項に示す3項目を重点項目として実施した。