次頁1－4 津波防災に係る取組
11月５日は「稲むらの火」の物語に由来する「津波防災の日」であり、国連総会で制定された「世界津波の日」でもある。津波は迅速かつ適切な避難により人的被害を相当程度軽減できる災害であることから、津波の特性や適切な対応について理解し、適切に行動できることが特に重要となる。このため、11月５日及びその前後には、内閣府や関係省庁、地方公共団体、民間企業等により津波防災の意識向上に資する取組が各地で行われている。
（１）津波避難訓練
令和３年度は「津波防災の日（11月５日）」の前後の期間において、全国各地で国（10府省庁）、地方公共団体（123団体）、民間企業等（48団体）の主催する地震・津波防災訓練が実施され、約114万人が参加した。
内閣府では上記の期間を中心に地方公共団体と連携し、住民参加型の訓練の企画・実施等の取組支援を全国９ヶ所（北海道木古内町、鹿部町、福島県いわき市、千葉県館山市、富津市、高知県高知市、四万十町、福岡県豊前市及び鹿児島県志布志市）で行った。これらの訓練では、地震発生時に我が身を守る訓練（シェイクアウト訓練）及び揺れが収まった後に最寄りの避難場所等へ避難する訓練（避難訓練）のほか、地域ごとの防災計画等に応じて、安否確認、避難所開設・運営訓練等を行うとともに、地域の被害想定や地理的条件等を考慮した避難計画作成学習会や講演会等を開催し、訓練や学習会等合わせて延べ25回実施、計約３千人の地域住民等が参加した。
（２）普及啓発活動
＜1＞津波防災の普及啓発活動
「津波防災の日」及び「世界津波の日」について周知し、津波防災への認識や取組を促進するため、令和３年度は全国の企業、地方公共団体等における啓発ポスターの掲示、大手コンビニエンスストアやスーパーマーケットにおけるレジ・ディスプレイ画像の表示など、様々な媒体を活用して普及啓発を行った。
＜2＞令和３年度「津波防災の日」スペシャルイベントの実施
11月５日の「津波防災の日」及び「世界津波の日」当日には、内閣府、防災推進国民会議及び防災推進協議会の主催によって、「津波防災の日」スペシャルイベントを岩手県釜石市において、現地とオンライン配信より開催した。
同イベントでは、最初に二之湯内閣府特命担当大臣（防災）が、津波被害の教訓を忘れないために、東日本大震災の発生から10年という節目の年に釜石市で同イベントを開催することの意義を述べた。
次に第１部の基調講演では、今村東北大学災害科学国際研究所所長から、発災から10年を経た東日本大震災の経験と教訓を振り返るとともに、不確実な事象が発生する現代社会における気候変動や新型コロナウイルス感染症など新たなリスクへの対応方法について述べられた。
そして、第２部の「『誰一人として犠牲にならない津波防災』に向けて」をテーマとしたパネルディスカッションでは、地方公共団体や研究者、ＮＰＯ、自治会など様々な主体や視点から津波防災に取り組む５名の登壇者による活動の紹介と意見交換が行われた。
同イベントのアーカイブ動画を「津波防災特設サイト」において公開している。
（参照：https://tsunamibousai.jp/）
