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令和4年版 防災白書|特集 第3章 第1節 個別避難計画の作成及び被災者支援システムの構築等


第3章 更なる災害対策の拡充

第1節 個別避難計画の作成及び被災者支援システムの構築等

(1)個別避難計画の作成

近年の災害において多くの高齢者や障害者等が被災している。このため、「令和元年台風第19号等を踏まえた高齢者等の避難に関するサブワーキンググループ」(以下本節において「高齢者SWG」という。)の最終取りまとめ等において、自ら避難することが困難な高齢者・障害者等の避難行動要支援者ごとの避難支援等を実施するための計画である個別避難計画の作成を一層推進することにより、高齢者等の円滑かつ迅速な避難を図る必要があるとの指摘を受けた。そして、一部の市町村において作成が進められている個別避難計画について、全国的に作成を推進する観点から、個別避難計画の作成を市町村の努力義務とすることが適当とされた。

高齢者SWGからの提言を踏まえ、「災害対策基本法」が令和3年5月に改正・施行されたことを受け、市町村における個別避難計画の円滑な作成を推進するため、「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」を改定・公表し、市町村が優先度が高いと判断する避難行動要支援者について、おおむね5年程度で個別避難計画の作成に取り組んでいただきたいことや個別避難計画の作成手順などを示した。

個別避難計画作成の所要経費については、令和3年度に新たに地方交付税措置を講ずることとされ、令和4年度においても引き続き講ずることとされている。

個別避難計画を作成する市町村により、災害の態様やハザードの状況、気候に加え、人口規模、年齢構成、避難所の確保状況など、地域の状況が異なり、個別避難計画の作成に当たって課題となる事柄は様々である。

このため、個別避難計画作成モデル事業を34市区町村及び18都府県のモデル団体において実施し、個別避難計画の効果的・効率的な作成手法を構築して、全国の自治体に対し、計画作成のプロセス及びノウハウの共有を図った。

個別避難計画作成モデル事業の概要
<個別避難計画作成モデル事業の概要>
令和3年度個別避難計画作成モデル事業報告書の概要
<令和3年度個別避難計画作成モデル事業報告書の概要>

これらの取組により、避難行動要支援者の避難の実効性を確保し、個別避難計画の全国的な作成推進を図った。

(2)被災者支援システムの構築等

内閣府において、平時からの個別避難計画の作成支援を始め、発災時には住基データをベースとした被災者台帳の作成、マイナンバーカードを活用した罹災証明書等のオンライン申請・コンビニ交付等が可能となる「クラウド型被災者支援システム」を令和3年度に開発し、自治体向けの説明会等を実施した。令和4年度からは、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)において運用を開始する予定としている。

クラウド型被災者支援システムの概要
クラウド型被災者支援システムの概要

また、被災者の円滑な生活再建を図るためには、被災者が抱える多様な課題が解決されるよう、一人ひとりの被災者の状況を丁寧に聞き、関係者が連携して必要な支援を行う取組である、いわゆる「災害ケースマネジメント」が重要である。

このため、内閣府では、令和3年度に防災基本計画において「国及び地方公共団体は、被災者が自らに適した支援制度を活用して生活再建に取り組むことができるよう、見守り・相談の機会や被災者台帳等を活用したきめ細やかな支援を行うとともに、被災者が容易に支援制度を知ることができる環境の整備に努めるものとする。」との記載が追加されたことを踏まえ、当該取組が全国的に広がるよう、先進的な事例をまとめた取組事例集を作成・公表し、各自治体に共有した。

加えて、令和4年度には、全国の自治体が当該取組を実践できるよう、災害ケースマネジメントの標準的な取組手法をまとめた手引書を作成・公表し、各自治体に共有する予定である。


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