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令和4年版 防災白書|特集 第1章 第6節 令和3年7月及び8月に発生した大雨等における対応や新型コロナウイルス感染症対策


第6節 令和3年7月及び8月に発生した大雨等における対応や新型コロナウイルス感染症対策

新型コロナウイルス感染症の現下の状況においては、避難所における3つの「密」の回避など、新型コロナウイルス感染症の感染防止に十分留意する必要がある。内閣府としても、これまで、<1>避難所への避難だけでなく、安全な親戚・友人宅等への避難や、可能な限り多くの避難所の確保、<2>マスク・消毒液等の用意など避難所の衛生管理、<3>パーティション等を活用した避難者スペースの十分な確保などコロナ禍における避難所の運営等について、自治体への助言・指導に努めてきたところである。

令和3年7月及び8月の大雨等による災害対応で得られた、避難所に関する被災地での経験やノウハウについては、今後の災害対応に活かしていくため、新型コロナウイルス感染症の対策も含め、取組事例等を取りまとめ、全国の地方公共団体に通知した。

(1)取組事例の取りまとめ

以下のような取組を行った地方公共団体があったことから、今後の災害対応に当たって参考にするよう通知した。

<1>専門家による避難所における新型コロナウイルス感染症対策等の実施状況の確認

専門家(保健師や医師会を含む。以下同じ。)や避難生活支援スキルの高いNPO等による、個々の避難所における平時及び避難所の開設後の新型コロナウイルス感染症対策や衛生環境等の具体的な内容の確認が行われた。

避難所における新型コロナウイルス感染症対応チェックリストの事例
避難所衛生環境チェックリスト
避難所衛生環境チェックリスト
避難所における新型コロナウイルス感染症対応チェックリスト
避難所における新型コロナウイルス感染症対応チェックリスト

<2>避難所における新型コロナウイルス感染症対策

  • 避難所の発熱等の症状のある避難者に対して、別室を用意して隔離するとともに、保健所及び地元の医療機関が連携して検査が実施された。
  • 避難所において、消毒や拭き掃除がしやすいようにポリカーボネート製等の簡易ベッドが利用された。

<3>避難所における生活環境改善

  • 熱中症対策、寒さ対策の観点から、冷暖房設備が完備された避難所を優先的に開設した。また、体育館に冷暖房設備が完備されていない学校等においては、冷暖房設備が完備されている教室等が適宜活用された。
  • 普段土足で利用されている施設であっても、避難所として活用する場合には、土足を禁止し、下駄箱(段ボールで作成した簡易なもの等)を設置するなど、衛生管理の観点から、屋外と屋内の動線を分離した。また、トイレにおいても、専用のスリッパ等を用意し衛生管理が徹底された。
  • 要配慮者が滞在する避難所で必要となる段ボールベッドを確保するため、県があっ旋して同一県内の他の市から融通して調達された。
  • 災害発生直後には、段ボールベッドの上に座布団や簡易マットを敷いて寝床生活を送ることが多いが、避難生活が長期化する場合には、別途マットレス、布団やリネン等が手配された。
  • 避難者に対して、災害発生直後には、避難所の備蓄食料(アルファー米、カップ麺等)の提供が中心となるが、避難生活が長期化する場合には、地元の飲食店等とも連携して、栄養面にも配慮した弁当等が提供された。
(2)関係部局間での連携並びに自宅療養者及び濃厚接触者に対する情報共有等

現下の新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、平時から、都道府県及び市町村の関係部局が連携して、自宅療養者又は濃厚接触者(以下「自宅療養者等」という。)に対する情報提供等について検討し、必要な対応を行うことが特に重要となっている。

このため、過去に発出した通知等を踏まえ、自宅療養者等の被災に備えて、平時から、都道府県及び市町村の防災担当部局、保健福祉部局及び保健所が連携して、自宅療養者等の避難先の確保や避難方法の伝達等についての責任主体、役割分担を決め、あらかじめ、具体的な情報共有の内容や方法を定めておくよう周知した。また、あらかじめ、自宅療養者等の災害時の対応や避難方法等を定めておき、本人に対して伝えておくこと等を周知した。

(3)濃厚接触者の避難

濃厚接触者が避難する場合には、可能な限り個室管理することとしているところ、個室管理が困難な場合には、専用スペース等を確保し、やむを得ず同室にする場合には、パーティションで区切る等の工夫をすることを周知した。また、現下の新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、濃厚接触者専用の避難所の確保も検討することを周知した。

(4)避難所における各世帯の滞在する区画等の管理

避難所で新型コロナウイルス感染症の陽性者が発生した場合において、濃厚接触者の特定に活かせるよう、各世帯の滞在する区画等に番号を付して管理することを周知した。


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