内閣府防災情報のページみんなで減災

内閣府ホーム > 内閣府の政策 > 防災情報のページ > 会議・検討会 > 防災白書 > 令和3年版 防災白書 > 令和3年版 防災白書|特集 第2章 第5節 5-2 気候危機時代の「気候変動×防災」戦略~「原型復旧」から「適応復興」へ~

令和3年版 防災白書|特集 第2章 第5節 5-2 気候危機時代の「気候変動×防災」戦略~「原型復旧」から「適応復興」へ~


5-2 気候危機時代の「気候変動×防災」戦略~「原型復旧」から「適応復興」へ~

意見交換会における議論をもとに、将来の気候変動予測等を踏まえつつ、社会的課題も俯瞰的に捉え、SDGsの達成も視野に入れながら、気候変動対策と防災・減災対策を効果的に連携させて取り組む戦略として、武田内閣府特命担当大臣(防災)(当時)と小泉環境大臣の共同メッセージ「気候危機時代の『気候変動×防災』戦略 ~『原形復旧』から『適応復興』へ~」を令和2年6月30日に公表した。

メッセージの概要は以下のとおりである。

  • 「気候変動×防災」の主流化

気候変動と防災は、あらゆる分野で取り組むべき横断的な課題である。今後、各分野の政策において「気候変動×防災」を組み込み、政策の主流にしていくことを追求していく。

  • 脱炭素で防災力の高い社会の構築に向けた包括的な対策の推進

あらゆる主体が、各分野で、気候変動対策と防災・減災対策を包括的に講じていく。気象災害のみならず、感染症、熱中症等をも含めた複合リスクに対応できるよう、ハード・ソフト両面の対策により、国土形成、インフラ整備、土地利用などを進めていく。

その際、地域を災害前の元の姿に戻すという原形復旧の発想に捉われず、自然の性質を活かして災害をいなしてきた古来の知恵にも学びつつ、土地利用のコントロールを含めた弾力的な対応により気候変動への適応を進める「適応復興」の発想を持ち、いわば「災害をいなし、すぐに興す」社会を目指す。このため、被災後に速やかに対応できるよう、災害発生前から未来を見据え、復興後の社会やまちの絵姿を地域で検討し共有し「より良い復興」を目指す、事前復興の取組を進める。

  • 個人、企業、地域の意識改革・行動変容と緊急時の備え、連携の促進

行政による防災(公助)はもとより、国民、企業等が、気象災害が激甚化・頻発化している気候危機の現状を理解し、災害に備え「自らの命は自らが守る」自助や、「皆と共に助かる」共助の意識を喚起していく。地域の災害リスクを知り、災害時には避難等の防災行動を確実にとるための取組、市民、ボランティア、民間事業者、行政等の様々な主体が、連携・協力して災害に対応する取組を加速していく。

  • 国際協力、海外展開の推進

気候変動と防災の担当が連携・協働して取り組む今般の体制を、世界に率先して示し、パリ協定・仙台防災枠組・SDGsを「『気候変動×防災』の三位一体」として同時達成を目指す。我が国の災害経験や防災技術・環境技術をフル活用した、官民による海外展開、国際協力を一層活性化していく。

気候危機時代の「気候変動×防災」戦略(共同メッセージ)概要
気候危機時代の「気候変動×防災」戦略(共同メッセージ)概要

また、共同メッセージの公表日である令和2年6月30日には、武田内閣府特命担当大臣(防災)(当時)と小泉環境大臣が「気候変動×防災」国際シンポジウム(WEB開催)に出席し、気候変動を踏まえた防災・減災対策の在り方や、気候変動と防災の国際展開における日本の役割などについて、水鳥真美国連事務総長特別代表(防災担当)兼国連防災機関(UNDRR)ヘッドも交え、議論を行った。このシンポジウム終了後に共同記者会見を開催し、共同メッセージについて説明を行った。

国際シンポジウム及び共同記者会見の様子(令和2年6月30日)
シンポジウムで発言する武田内閣府特命担当大臣(防災)(当時)
シンポジウムで発言する武田内閣府特命担当大臣(防災)(当時)
共同記者会見の様子

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.