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平成30年版 防災白書|第1部 第1章 第2節 2-8 災害情報ハブの活動状況


2-8 災害情報ハブの活動状況

近年の災害においては、特に平成28年(2016年)熊本地震に見られるように、車中泊等被災者が避難所に滞在しない多くの例が見受けられた。これらの人々の動向をはじめ、避難所における被災者のニーズや物資の配送状況等、情報の把握が困難になる場合もある。このような課題を解決するためには、平常時から国や地方公共団体、民間企業・団体等による官民連携による円滑な情報の共有化を行い、災害時との迅速に対応することが必要である。

このため、内閣府では、情報の共有を図るために効果的な手段と考えられる情報通信技術(ICT:Information and Communication Technology)の活用、また、関係機関間における情報共有の方法や期間等のルール及びこれを通じた情報のやりとり(以下「災害情報ハブ」(図表2-8-1)という。)を推進するため、平成29年度から中央防災会議防災対策実行会議災害対策標準化推進ワーキンググループの下に、「国と地方・民間の『災害情報ハブ』推進チーム」を設置し、計4回推進チームを開催した。

  • 平成29年度は、以下<1>~<5>を検討の方向性として設定し、災害情報ハブ推進に向けて取り組んだ。
  • <1> 被災者の避難動向把握:携帯電話位置情報等から得られるビッグデータを活用した被災者の動向を把握する手法を検討すべく、東京都23区内と三重県内の2つのエリアで実証実験を実施した。
  • <2> 指定避難所・物資集積拠点等の施設情報整理:平常時から整理、把握しておくべき施設に関する情報項目を整理した。
  • <3> ライフラインの被害状況の一括把握:上水道、電気、ガス等のライフラインの被害状況の情報の所在を整理した。また、関係者間での円滑な情報のやりとりに向け、経済産業省において「災害情報ハブ(物資・ライフライン情報)に関する検討会」を5回開催した。
  • <4> インフラの被災状況等の把握:道路、鉄道、空港、港湾、河川等の被災状況、通行実績、運行・運航状況等の情報の所在を整理した。
  • <5> 物資供給情報の共有:物資の調達・輸送に必要となる情報項目・単位等を整理した。その他、上記項目以外の災害に係る情報も含めた、情報の所在や共有・利活用に係る条件等を一覧表(カタログ)として整理した。

今後も災害情報ハブに関わる官民が連携することにより、<1>~<5>の重点テーマの取組の更なる推進や、カタログに整理された情報等を可能な範囲で一つのシステムに集約し、見える化するための取組の試行を行う。更に、発災時における地方公共団体の負担を軽減し、効果的かつ効率的な災害対応を可能とする体制を構築するため、災害情報共有システムであるSIP4D(「特集」第2章第2節【コラム】「災害時の最新科学技術(情報共有システム・ドローン)」を参照)を活用して官民の情報収集・整理を行う官民チームを試行的に被災した地方公共団体へ派遣する予定としている。

図表2-8-1 「災害情報ハブ」のイメージ図
図表2-8-1 「災害情報ハブ」のイメージ図
【コラム】
「災害拠点のWi-Fi整備」

「日本再興戦略2016」(平成28年6月2日閣議決定)及び「世界最先端IT国家創造宣言」(平成28年5月20日閣議決定)に基づき、平成28年12月に策定した「防災等に資するWi-Fi環境の整備計画」が進められている。<1>災害発生以降、災害の危険性がなくなるまで滞在し、避難生活を送る避難所や避難場所、<2>被災場所として想定され、災害対応の強化が望まれる公的な拠点(博物館、文化財、自然・都市公園等)などにおいて、整備数、整備時期などを示す「整備計画」に基づき着実に整備を実施することで、災害時に必要な情報伝達手段を確保することを目指している。平常時においては、観光関連情報の収集、教育での活用等、利便性の向上を図ることとしている。

総務省では、平成31年度までの整備目標数として、約3万ヶ所(整備済みを含む。)を目標としており、これまで約2.1万ヶ所の整備が完了している(平成30年1月末現在)。

「災害拠点のWi-Fi整備」
「災害拠点のWi-Fi整備」

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内閣府政策統括官(防災担当)

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