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平成27年版 防災白書|特集 第3章 第4節 4-2 日本の災害予防・復興分野での国際協力


4-2 日本の災害予防・復興分野での国際協力

我が国は、国土の地理的条件や気象的条件から、過去から地震、津波、洪水、高潮・高波、がけ崩れ、火山の噴火、土石流、豪雪等、あらゆる自然災害に晒されてきており、幾多の災害を経験して培った知識・制度・技術がある。これらの知見を活用し、外務省によるODAとして、JICAが中心となり、例えば、河川関係であれば国土交通省、情報通信関係であれば総務省、農業関係であれば農林水産省等、各実働省庁の協力も得つつ、開発途上国の災害対策の向上に貢献している。我が国による防災分野の協力は、組織・制度づくりからハード対策、復興支援に至るまで、幅広い範囲をカバーしていることが特徴であり、且つHFAの5つの優先行動にも沿った形で協力を行ってきた。中でも、優先行動4「潜在的なリスク要因の軽減」に関する協力を多く実施してきており、ソフト・ハード両面の対策を開発途上国において導入するなど貢献してきた。今後も、HFAの後継枠組として策定された「仙台防災枠組2015-2030」を念頭に置きつつ、「災害によって繰り返される貧困サイクルからの脱却」と「災害リスクの軽減による持続的な発展の実現」を目指し、様々な分野の開発において防災の視点を取り入れる「防災の主流化」を通じて、災害に強いレジリエントな社会づくりへの支援を行っていく。

コラム:防災技術の海外展開

長年、自然災害の脅威と向き合ってきた我が国は、これまでの災害発生やその対策で得られた経験や技術を多数有しており、これを活用して、開発途上国の災害対策の向上に貢献してきた。

例えば、インドネシアでは、インド洋大津波の後、国家防災能力強化のため、国家防災庁の設立及び国家防災計画の策定支援を行った。また、地方の防災能力強化のために、国家防災計画に基づいた地域防災計画の策定を支援したり、コミュニティレベルの防災活動のパイロット的な実施を行ったりした。さらに、こうした活動の中で得られた知見や教訓をコミュニティから地方、さらに中央へとフィードバックすることにより、トップダウン、ボトムアップ両方からの防災能力の強化を図った。

フィリピンでは、日本政府は、マニラ首都圏を流れるパッシグ・マリキナ川の洪水対策を長年にわたり行ってきた。その際、台風などによる災害リスク要因を分析し、災害軽減のために構造物対策、非構造物対策を組み合わせて事業を行ってきた。2009年にマニラ首都圏を襲った台風の際には、日本の協力により建設された放水路を運用することにより、下流部のダウンタウンに流れ込む水量を制御し、経済的・社会的被害の防止に貢献した。

ペルーでは、大きな地震が度々発生し、津波災害のリスクも高くなっている一方、津波観測のための潮位計の数が少なく、津波警報の住民への伝達にも課題を抱えている。このため、日本政府は潮位計測システムの整備を進めるとともに、ペルーに導入されている日本方式の地上波デジタル放送を活用し、日本で行われているものと同様の緊急警報伝達システムの構築に必要な支援を行っている。これにより、地震や津波の早期警報の伝達が可能となり、ペルーの災害被害の軽減に資することが期待される。

日本の技術を活用した砂防施設整備(インドネシア)写真提供:JICA日本の技術を活用した砂防施設整備(インドネシア)写真提供:JICA
日本製の潮位計測システムが導入された港(エルサルバドル)写真提供:JICA日本製の潮位計測システムが導入された港(エルサルバドル)写真提供:JICA

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